人気ブログランキング | 話題のタグを見る

草仏教ブログ

kaneniwa.exblog.jp
ブログトップ
2009年 01月 23日

トトトの歌 (猫ふんじゃった) の研究 (5)

というわけで、 「猫ふんじゃった」 にしても 「トトトの歌」 にしても
作曲者については諸説あるものの 「作曲者不詳」 ということに
なっている。

しかし、日本の 「猫ふんじゃった」 (ねこふんじゃった) について
作詞者の方は特定できる。

丘灯至夫(おか としお) さん と 阪田寛夫(さかた ひろお) さん
である。

丘灯至夫さんは1917年生まれで現在もご健在である。
アニメソングも多く手がけ、たとえば
「科学忍者隊ガッチャマン」 の一連の主題歌や挿入歌は
作曲が小林亜星さんとのコンビで詞を書いている。

阪田寛夫さんは1925年生まれで2005年の3月にお亡くなりに
なっている。芥川賞作家であり、童謡の作詞の分野でも作品は
数多く、巨匠という存在である。

「猫ふんじゃった」 の歌(歌詞)の世界は新しく、
著作物となった歴史は意外と新しく、
まずは丘灯至夫さんが丘十四夫と名のっていた頃、
その詞によって1954年の9月に新譜として
「ねこふんじゃった」 がレコードになっている。
歌はひばり児童合唱団が歌っている。
伴奏がコロンビアオーケストラであるという記述があったので、
おそらくコロンビアレコードから発売されていたはずだ。
山口保治という方が 「採譜」 という役割で記録に残っており、
その採譜に基づいて睦芳芳明(誤植ではないと思う)という方が
補作をしながら編曲をしている。

それから約11年後に 阪田寛夫さん作詞バージョンの
「ねこふんじゃった」 が1965年の7月21日にレコード化されている。
編曲は寺島尚彦という方がされている。
歌は天地総子さんである。

この阪田バージョンが、NHKの 「みんなのうた」 で
1968年の2月10日から放映され、多くの人に知られる
ようになる。

マーヒーは4歳と6ヶ月か7ヶ月という時期である。
瞑想しながら、白黒画面であったその映像を思い出そうと
今、努力をしている。
なんだか、おぼろげすぎて、浮かんできた映像が
その時のものなんだか、何か別なものが混同してきているのか
判断が難しい。

「猫ふんじゃった」 が非常によく知られるようになり、
ピアノでの演奏がポピュラーになった理由は、
この時期の NHK の 「みんなのうた」 によるもの
だといっていいだろう。

さて、「猫ふんじゃった」 と 「トトトの歌」 が 別物である
という証拠になるものは、この阪田寛夫さんの詞であった。

実は、阪田版による 「トトトの歌」 の詞を発見したのだ。
著作物であるので、全部を引用するのは問題があるかも
しれないので、Aメロというか、冒頭の主要部分だけを
抜き書きすれば

トトト トトト トトト トテモ
すごい すごい にわとりだ
トトト トトト トトト トテモ
たまご たまご うむよ
毎朝九時に コケココッコ コケココッココ
卵(たまご)をひとつ コケココッコ コケココッココ


というものである。

この詞を、例のコロンボ警部が弾いていたピアノのメロディに
合わせてみれば、その鍵盤を打つリズムにぴったりと合う。

阪田さんは知っていた。
最初から 「猫ふんじゃった」 と 「トトトの歌」 は別な曲だったのだ。

あとは証拠になるものはなく、推測をしていくしかないのだが、
丘バージョンの 「猫ふんじゃった」 がレコード化された際の
山口保治さんによる 「採譜」 という仕事が関係しているのでは
ないだろうか。

たくさんの 各国の 「猫ふんじゃった」 の原型の採譜をするうち、
その他の多くの各国の子どもになじみのあるメロディが取り集め
られ、それが山口保治さんなどが関知しないうちうに関係者の間で
混同されてしまったのではないだろうか。


マーヒー加藤

by kaneniwa | 2009-01-23 13:39 | 草音


<< トトトの歌 (猫ふんじゃった)...      トトトの歌 (猫ふんじゃった)... >>