2009年 02月 11日

草仏教経済学(1)  草仏教経済学序文

お布施というお金を生活の糧としている。

このお布施というものはさし出す方が 
「ありがとうございました」 
と言うことになっている。
お布施の世界では消費者が王様ではないのだ。

また、差し出されたお布施というものについて
「謹んでお預かりいたします」 「謹んでお受けいたします」
ということは言うにしろ、
「まいどおおきに」 
なんてことは決して言わない。

お布施とは、需要と供給、製造と消費、などという経済の常識や定石さえ
飛び越えたところで流通(るづう・るずう)しているお金である。

子どもにでも金の貯め方を教えるのは

・欲望を我慢すればいい
・ムダなことを節約すればいい
・使わなければいい

という具合にシンプルになる。
シンプルだから簡単だというわけではなく、
シンプルなことほどディープなのだが、
とにかく簡潔な教えになる。

ところが、金の使い方を教えるのは大変なことだと、
今さらながら気がついてしまった。
大変なのだが、教えというものはなるべくシンプルにしたいと思い、

いいか、うちは 「ありがとうございました」 と差し出して
くださったお金をもとに生活をしている。
そのなかからお父さんはお給料をもらい、そのなかからお前らのおかづかいがある。
だから、そのお金というものは使った時にこちらから 「ありがとうございました」
と言うんだ。 「ありがとうございました」 と言えるものなら買っていいんだ。
「ありがとうございました」 と出したお金は、また 「ありがとうございました」 と
言えるものになって世の中をまわっていくんだ。


ということにした。
購入や消費ということに際して、こちら側から感謝の意をのべられるようなことに
使うというのが、今のところ思いつく 「子どもに教えられる経済の基礎」 であった。

お経も経済の経の字も同じである。
意味は糸偏の糸であって、それは見えないほどの細い糸かもしれないが、
人と人とを確かにつなぐものなのだろう。
(お経も経済も、「本来は」 と前置きしなければいけないのが残念だ・・・)
そして、経典の教えの部分を流通分(るずうぶん)というように、
流通というものはその糸を確認しつつ、広まっていくことなのだから、
大きく間違ったことは言っていないつもりでいる。

その言った当人も完全には実践していない草仏教経済理論を、
6歳の長男はその素直さで実践している。
この前、文具店で150円のノートを自分の財布から買っていたが、
お店の人に 「ありがとうございます」 と言っていた。

息子といっしょに床屋に行った時も(その場合の代金を払うのは私だが)
払っている横で
「さっぱりさせてくれてありがとうございました」
ときれいになったばかりの頭を下げて言っている。

これは言われた方にもズシンとくるものがあるみたいだ。

「使う側が感謝の意を述べるべき」 という経済理論を子ども相手に示唆した
草経済学者・マーヒー加藤も、外食の際には必ず 「ごちそうさま」 の
ひと言を支払の時につけ加えるようにはしているが、
さすがにソフィスケートされた現代の流通機構のなかでは、
コンビニでの買い物の後の帰り際、セブンイレブンやローソンの
看板に密かに軽く一礼するだけだというのに・・・

(そして、ポスシステムの浸透したレジで、50歳代男性のところに
レジを打つ人が分類している指先なんかが見えた時には、感謝する
どころか腹を立ててお釣りを奪い取るようにして帰る心の狭さなのに・・・)

自分でも完全に実践していない理論を子どもは実践し、
ちゃんと 「流通」 していたのだ。

兵庫県のある小児科医院は、少子化などの状況で医院を閉めようと
考えていたところ、子どもたちが診療の後で
「ありがとうございました」
と言うようになったのに接して 「辞めるのを辞めた」 そうだ。

単純な精神論であるといえばそれまでだが、
「医院を閉めるのを辞めた」 ということは
損得勘定経済では動かせなかった大きなものを
実際に動かしてしまったということだ。

そこには確かな糸がはたらいている。

数字や論理的思考に弱く、
生活感覚中心の草経済学者・マーヒー加藤であるが、
損得勘定経済からお布施感覚経済への転換を
まず自分からしていかなければと愚案をめぐらすのだ。


マーヒー加藤

※ これは不定期連載として考察するつもりで、いちおう記事にしました。
  「子どもにサブプライムローンを説明した経験」 など、子どもを通じて
  今の経済のことを教えるつもりが考えさせられて教えられること、
  あるいはもっとカジュアルに 「お布施感覚でゲットしたモノ」、
  あるいは 「こんなモノを作ってくれたらお布施感覚で買いたい」
  などということを書いてみたいのですが、気まぐれなもので、
  どうなりますことやら・・・
 
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by kaneniwa | 2009-02-11 02:10 | 草評


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