2009年 05月 10日

お笑い芸人 ギター列伝

昨夜、子どもといっしょに 土曜の夜7時からの放送となった
爆笑レッドカーペット (フジテレビ系列) を見ていたら、
フットボールアワーの後藤輝基(てるとも)の弾くギターの音がいいので
びっくりしてしまった。

お笑いに楽器を使用する場合、ある程度ギターが上手くないと
「笑わせる」 のではなく 「笑われる」 か、 もっとひどい場合は
笑いのカケラも出ずに冷たい緊迫感だけが漂ってしまう。
この列伝の最後に書くが、昔、てんやわんや の漫才で
想定外の驚くべきギターの使われ方もあったが。

フットボールアワーの後藤はブルースの基本パターンを弾いていたが、
それにしてもプロっぽい音だった。
最初はアテレコであろうと思って観ていたが、指とコードチェンジの
タイミングを見ているとそうではなかった。
しかも、3コードブルースながら、かなりギターを弾き込んでいる様子が
うかがえた。

審査員ゲストのなかに 甲斐よしひろ がいた。
レッドカーペット賞を選ぶ審査員にその甲斐よしひろが指名され、
その甲斐よしひろが選んだレッドカーペット賞が、
フットボールアワーだった。
間接的ではあるが、お笑いを通じて後藤のギターを認めた、
ということになると思う。
ギターが良くないと笑えない芸だったからだ。
ギターが良かったので笑えた。



昨年の12月12日に、モンスターエンジンの大林のギターがいい
と書き、今年に入って エハラマサヒロのギターの音がいい
(これもある程度上手くないとウザいミュージシャンのギャグにならない)
ということを書いた。

この機会に お笑いとギター について メモ程度ながらまとめておこうと思う。


ビートルズ武道館公演の前座も務めたのがドリフターズについては
今回はふれないで、これはまた別な機会にお笑いと音楽の関係で考察してみたい。
もともと、音楽とお笑いというのは実に密接な関係があるのだと思う。

最初にお笑い芸人のギターで意識したのが
玉川カルテットだった。
♪ 金もいらなきゃ女(名誉の時もあった)もいらぬ~
   わたしゃも少し背が欲しい
と歌われる。
その演奏されるギターがギブソンのES-335という超渋いギターであった。
異様なほどに使い込まれている様子がテレビ画面からもうかがえた。
私はかなり昔から、あのギターは渋いと思っていた。
ラリー・カールトンなんかもES-335を愛用していて、
そのグラビアなどを見て 「あっ、玉川カルテットのギターだ!」
と思ったものだった。

笑点 などにイロモノとして登場した 堺すすむ の
「なんでか? フラメンコ」 という芸も忘れがたい。
型番などはわからないが、堺すすむは小柄なので
ショートスケールのコンパクトなギターを弾いていた。

系統がやや異なるのでこの列伝に加えるべきか迷うが、
嘉門達夫の使用するギターは実に多彩だ。
ヤイリやタカミネという国産を持っていると思えば、
ギルドやオベーションのポールサイモンモデルを持って
歌っていたこともあった。

「なんでだろう」 などで
 テツandトモの トモの弾くギターは本来はテツの持ち物だ。
ギターのヘッドにMorris(モーリス 森平楽器)の文字が見えた。
型番はわからない。

波田陽区(ギター侍)のギターのヘッドにもモーリスの文字が見えた。
型番はわからなかったが、お茶の水の楽器店(森平楽器の本拠地だ)で
「あ、これは波田陽区と同じギターだな」 と思うものを見たことがある。
値段を見たら6万円だった。
ギター侍ではAmとAm7をくり返すだけのマイナーブルースといえば
マイナーブルースである。
真面目に作ったというラブソングをテレビで披露したことがあったが、
その時の方がたくさん笑われたというのはさぞかし悲しかっただろう。
その気持ちをギターに託して欲しいと思う。

サバンナの高橋茂雄が犬井ヒロシの名で
(それ以前にも3人組時代のサバンナのコントでギターは登場していたが)
ブルースをやる時に持っていたギターが
ギブソンのエバリーブラザース・シグネイチャーモデルであったのには
驚いた。
硬質でぶっとい感じのベース音は、やっぱりギブソンの
エバリーブラザースモデルだなぁと感じさせてくれる。
お笑い芸としては お醤油のブルースのような○○のブルースの
シリーズよりも、 「池袋ラーメン戦争反対!」 というようなシュールな
反戦歌の方が好きだ。

アップダウンの竹森巧の弾くギター(型番はわからない)は
フォーク調の曲のハイコードが実にきれいだ。
もっとも、芸風が最初はAメロで名曲の予感がするオリジナルソングが歌われつつ、
Bメロでだんだんと歌の中のストーリーが変な方向に行き、
サビでオチをつけるというパターンなので、ギターの腕が未熟だと
そもそもこのスタイルでのお笑いが成立しない。
二丁拳銃の小堀は、本来はこっちの方が本家と言いたいところだろう。

これはずいぶんと昔の話だが、当時からベテラン漫才コンビだった
てんやわんや がギターケースを持って登場したのには心底驚いた。
しかし、そのギターケースは漫才をやる てんやわんや の足元に
置かれたもののケースが空けられて演奏されるということはなかった。
漫才の最後に、みんなが気になっていたギターケースを持ち、
「あっ、これは関係ないからね」
と言ってドッと笑いをとった。
ジョン・ケージの 「4分33秒」 を
お笑いの世界に取り入れて演じたというわけだ。

あの時のギターケース(おそらく中身も入っていた) は
玉川カルテットの二葉さんのギブソンES-335だったのかもしれない。


番外    世界エアギター選手権(フィンランド)で連覇をした
       ダイノジのおおちの、正直者にしか見えないギター

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2009-05-10 00:20 | 草評


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