2009年 06月 30日
コッヘル48番で「そのまんまタコ焼」 というものをご紹介させていただき、続いて何の変哲もないようなタコ焼をコッヘルにのせた。何の変哲もないどころか、タコ焼の美しさ、惑星的ダイナミックさをとらえた写真はもっといいものをいくつも持っているつもりなのだ。でも、このタコ焼は美味しかった。なぜならば、このタコ焼を焼いたのは7歳の息子なのだから。このコッヘルシリーズには、私が作ったもの以外にも、シャラポア(妻・日本人)が作ったものも載せてきたが、今後、現時点で10歳の娘、7歳の息子、そしてしばらくすると3歳の末娘が作ったものなんかも載せていきたいと願望も込めてそう思う。コッヘルは、家庭のなかでも歴史を刻んでいく。 息子は、私が10年かかって習得した秘技・滝川クリステル焼きをすでにマスターしている。 滝川クリステル焼きとは、滝川クリステルを知らない人のために説明を加えておくと、滝川クリステルはフジテレビの美人ニュースキャスターである。正面を向いている滝川の表情を写すカメラが、斜め45℃の角度に切り替わる。キャバクラなどでも、キャバ嬢が滝川の髪型などを真似て、なおかつ斜め45℃の角度でもっとも美しく映えるようにセットしてもらうなどの影響を世間にも与えた。「斜め45℃」は黄金の角度であった。 それを応用し、鋳鉄のタコ焼器をテレビカメラだと思い、タコ焼の焼く面を滝川クリステルの顔面だと考える。私は滝川が案外と好きなのでこの瞑想は容易だ。顔面が焼けたと思った瞬間に、滝川の顔(タコ焼)を斜め45℃にクルリとまわす。これによってコの字形、もしくは逆コの字型のタコ焼が出来上がる。空洞のようなものができることによって外側のパリパリと内側のジューシーがタコ焼でも実現することができる。 息子は、この秘技の本質を 「クジラさんが口をあけているような形にすればいいんだね」 とすぐに見抜いた。 私(父)の滝川理論よりも、このクジラの口の方がわかりやすい。しかも的確だ。しかも可愛い。この写真はちょうど3年前、4歳の時にタコ焼を初めて焼いた時の息子の写真だ。「火傷しちゃうからダメだ」 「ピックの先っぽが危ないからまだダメだ」と言い続けてきたが、この時に初めて 「焼いてみろ」 と許可したのだった。「10年早いが焼いてみろ」と言われた息子の顔は嬉しそうだ。わが息子ながら福顔だなぁとつくづく思う。この時、息子の手つきに気をとられて、火傷をしてしまったのは父親の私の方だった。 この子は 「勉強しなさい」 と言われて従順に勉強をするタイプの子ではない。ただ、父親の私が楽しそうに勉強するようにさえなれば、よく勉強する子になるだろうなぁと思う。 マーヒー加藤 コッヘルバックナンバー
by kaneniwa
| 2009-06-30 07:14
| 草外道
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