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2009年 08月 20日

コッヘル63番 そうめん75 

b0061413_1323582.jpg そうめん75 というタイトルは Gメン75 という古いテレビドラマのタイトルをもじったものである。 では、いったいこの そうめん のどこが75なのか? その答えは、せっかくだから続きを読んでいただく人にだけわかる形式で書こう。コッヘルに盛られたのは何の変哲もない小麦のそうめんである。出汁醤油は濃いめであるが、これはどんどんと薄まっていくのでこれでいいのだ。 そういう仕組である。




b0061413_1333155.jpg そうめんの調理はあらゆる料理のなかでも簡単な方に入るだろう。パスタのカッペリーニぐらい細いので1分とか1分30秒とかの短い時間でサッと茹でて水を切って終わりだ。水の切り方だってラーメンのような天空落としとかツバメ返しとか養老乃瀧などのテボ技などは使わない。だいたいテボなどという大層な器具さえ使わずにザルでシュッシュと2回ほど水切りをする程度だ。 しかし、この そうめん75 を作るのは大変だ。なんせ そうめん75 は 流しそうめん なのだから。 まず器具を作るのが大変だ。 その大変なことをやってくれたのが、もうすぐ75歳の後期高齢住職になろうとする私の父だから、このそうめんは そうめん75 というわけだ。 ご覧のとおり、竹やぶの大きな竹を縦に真っ二つ(ナタでやったらしい)というのも大変だったそうだが、流しそうめんはなんせ水を流さなきゃいけないので竹の節を取り除く作業が大変だったらしい。

b0061413_1335878.jpg 父は孫娘、つまり私の娘に弱い。 長女(10歳)が 「流しそうめんというものを1回、やってみたいなぁ」 と言っただけで 「よーし、この夏にはやるか」 といって流しそうめんの準備を始めた。 節取り作業が難航したためにお盆中にも合間に大竹を取りだして内側の節の部分を少しずつ削っていった。 この娘は以前にも 「クマのプーさんを墨絵で描いて欲しい」 とか 「千と千尋の神隠しを蒔絵にして欲しい」 などの無茶なリクエストを言っては、「よしよしおじいちゃんがやってみよう」 と言って徹夜してまでもその願いをかなえてきた。 クマのプーさんの時は、最初は墨絵でリアル熊さんを描いたのだが幼かった長女はそれを見て 「怖いよーん!違うよーん!」 と泣き出したので 「おい、クマのプーさんてどんなんだ!?見本をもってこい!」 と私に向って怒鳴った。何とか墨絵でプーさんを描くと赤いチョッキを描くためにわざわざ朱墨を取りだしてきて塗り、最後には落款(らっかん)まで押した。 

b0061413_1342024.jpg おじいちゃんの努力が実り、子どもたちは大喜びだった。 よそのご家庭でも子どもというのは回転寿司が大好きだと思う。特に最近の回転寿司はとても美味しいというせいもあるが、「食べ物を自分でゲットしてくる」 という狩猟本能に似た快楽が子どもにも感じられるシステム的なものがはたらいているのだろう。 普通にそうめんというと日常の場ではそんなには歓声をあげる種類の食べ物ではないのに、流しそうめんとなるとそのゲット感覚で歓声をあげる。3歳の末娘さえもきゃーきゃー言いながらそうめんを食べる。10歳の長女と7歳の長男はレシーバーであるだけでは物足りず、サーバーの役割も志願した。なかなか上手だった。 「夏休み後半、軽トラで流しそうめんの全国興行ツアー」 という小夢想がふとわき起こった。 「子どもの小さな願いは叶えてやれ」 とそうめん75 の器具の製作者にお説教をくらった。 「これが小さなリクエストか?だいたい自分は私の子ども時代にどうだったんだ?」 と反論したくなったが、子どもたちの前でおじいちゃんの悪口を言っては大変だ。とにかく私の娘たちと息子はおじいちゃんの大ファンなのだから。


マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2009-08-20 00:26 | 草外道


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