2009年 09月 19日

コッヘル80番 ホタテ (貝のBBQ)

b0061413_0291967.jpg 貝のBBQシリーズを連続アップしてきたが、貝のBBQの今年の分としてはこれで一応の最終貝としておきたい。 そのシリーズの最後にホタテをチョイスした。 このホタテの姿を見て、浮かんでくる絵はボッティチェリの 「ビーナスの誕生」 であり、口ずさみたくなる歌は 安岡力也の 「ホタテのロックンロール」 ・・・というのはちと古いか。サビの部分しか思い出せないし。 ショーロというサンバの原型になったリズムで作られた名曲 THE BOOM の 「風になりたい」 の歌い出しを ♪大きな帆立貝~ としてみる。BBQをやっている場所も海だ。まさに 「風になりたい」 とは思いつつも、千の風になる前にまだまだいろんなことをやってみたい。たとえ貝のBBQという範囲にだけ絞ったとしても、まだまだ味わいたいものが多い。天国じゃなくても。極楽じゃなくても。  




b0061413_0304091.jpg 貝に限らずBBQというものにハマッてしまったのはなぜだろうか? BBQというものが家族での行楽のなかのメジャーなものであるから、家庭をもってハマっていき家族が増えてのめり込んでいったというのも事実である。 ただ、私は独身時代から炉端焼き、焼鳥屋などで炭火を使うお店が大好きであった。マイナスイオンなどという概念さえ知らない頃から、炭火の前で佇んでいればその時々に背負っていたストレスのようなものを忘れることができた。この爽快感は、「原始人に回帰できるからだ」 ということだと思う。稲作の歴史が5千年以上だとしても、5万年前からご先祖さまは火で獣肉などを焼いて命をつないできた。そのDNAに刻み込まれた記憶がBBQでよみがえる。原始人にとっての幸せは、現代人にとっても本能的で根元的な幸せのはずだ。現代人は、原子力よりも原始力を追求すべきだと思う。

b0061413_031688.jpg そして四方を海で囲まれた日本では貝塚というものが発見されていることからも、相当前のご先祖さまは貝のBBQの楽しみをわかっていらっしゃった。ホタテを焼いて、まずはそのまま食べる。海のなかでホタテ自身が自然にしてくれた味付けだけで充分に美味しい。貝の種類は違うのであろうけれども、原始人がたしんなんでいたであろう貝の味のエッセンスはぎっしり詰まっている。次に、貝塚時代のご先祖さまは知らなかったであろう醤油味のホタテを食べてみる。ご先祖さま、やりました。日本人は「いしる」や「しょっつる」というナンプラー系の魚発酵調味料を進化させ、大豆を原料とする醤油というたいへんに洗練された調味料を開発しました。今やキッコーマンのソイソースは世界中に広まり続けております。 ここでビールを飲んでみる。  

b0061413_0313338.jpg ご先祖さまにとっては最近の出来事でしょうが、5千年ほど前にエジプトで開発されたビールはここまで進化してきました。モルツよりもさらに進化したプレミアムモルツこそ今日は持ってきませんでしたが、サントリーの白いパッケージがホタテの白とマッチしております。 さて、ご先祖さまへの感謝はいったん忘れて、ホタテについて語るならば 「筋の通った律儀なヤツ」 という感じがする。まったく別な食べ物であるが、竹の子なんかもそうだ。本体の味は淡白なのであるが縦に細かく入った繊維質的なラインが味をからめてくれ、わずかに付いている天然の塩味の滋味というものを極限までに深めてくれる。 醤油スプレー(霧吹き)で付けた味はなおさらだ。貝の味そのものの美味しさも伝わってくるが、それよりも 「醤油って、こんなに美味しいものだったのか」 という発見を感動的にさせてくれる。

b0061413_0315734.jpg ホタテ、えらい。自分は半歩身を引いて調味料をひきタテてくれる感じだ。そこで改めてホタテを見れば、人間よりもはるかに生物として先輩であるということに気がついた。進化していないように見える生物であればあるほど、その原型のままに生き物として人間よりもはるかに先輩なのである。ホタテにむかって 「ホタテ先輩」 とか 「ご先祖さま」 と畏敬の念をこめてつぶやいて見る。でも、そんな念よりもその瞬間の煩悩が発するパルス信号の方が強いので直後に口に入れる。 さて、地球の生命としての大先輩であるホタテさまから見れば、たかだか500年ちょっと前に描かれた絵であるが(フィレンツェの美術館のホームページから画像をもってきました)、このぉビーナスが乗っているのはホタテさまですよね? (誰に訊いてんだ?) そうか、まさかこんなビッグサイズはないだろうが、確実に地中海にも住んでおられるなぁ。ホタテのBBQをする時はこの絵をイメージする。炭火で焼いていて食べ頃になった時には貝殻がパカッと開いて、そこにビーナスのような白い肌をした食べ頃のホタテさまがおられる。 


マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2009-09-19 00:16 | 草外道


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