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2009年 10月 20日

草仏教掲示板(27)  船は

b0061413_050596.jpg 船は港にいる時もっとも安全だがそれは船が造られた目的ではない パウロ・コエーリョ   クィーンエリザベスのような豪華客船は港に停泊している時にレストランなどを一般客に公開したりしているが、船の目的は公開ではなくて航海である。タイタニック号などは航海に出ずに豪華ホテル (でもいろんな等級の部屋があるなぁ) としてずっと港にいれば今でもあったかもしれない。 (でもタイタニック号の事故の翌年にできたドイツ船籍のドロス号は書籍を満載した海の本屋さんとして今でも現役で航海している)  タイタニック号の生存者のうちの最後の一人が亡くなられたのはつい数年前だ。  



「若い人が簡単に亡くなられる気がするのですが、
宗教者としてそのようなことについて何かしようとは思いませんか?」

という提言を受けることがある。
もっともだ。

ただ、そこで

「観念や理論で救おうと思っても、そう上手くはいかないと
思います」

と言いたくなる気持ちを抑える。

それを話してみて理解されるかどうかの自信がないことがひとつと、
観念や理論を越えたところの実践にどう踏み込むかも使命に違いないからだ。
ただ、そこに具体的に踏み込むことにプランがまるでないわけではないが、
そのプランを具体的にブログで書けば、今の世の中では2ちゃんねるで叩かれる
だけにとどまらず、あらゆるところで問題視されてしまうだろう。
それらのプランは今後、小出しにしてうまーく、うまーく書いていきたい。


まずは、データというものの裏付けががない実感でしかないのだが、
周囲のご長寿の方を拝見していて、どうも病気や危険に遭わないから
長寿ということではなくて、むしろ 「幼・小・青年期のどこかで病弱だった」 という方が
驚くほど多い。 または年代的に今の時代のご高齢の方と年代が重なるのだが
太平洋戦争などで 「死にそうになった」 という経験をもたれている方が
とても多いように思える。

私の最初の記憶は、3歳の頃の溺れかけた記憶だ。
今考えれば、両親などがそばにいたはずなので、
「死ぬ」 と思ったのは私だけで、実際は大したことがなかったのかもしれない。
しかし、とにかく私の最初の記憶は 「水に対する恐怖」 だ。
何でもやってみたがる性格なのにマリンスポーツを避けてきたのは
この原体験のせいかもしれない。

同じように近所で火事があった時の 「火の恐怖」 が幼児期の最初の記憶に
なっている人は多い。 


学生時代、岐阜県と福井県の県境の山道を一人でオフロードバイクで走っている時、
急に天候が変り、大雨が降ってきて、すぐ近くにカミナリが落ちたことがある。
この時はその周囲で唯一の金属物であるオートバイから離れて避難し、
1時間ほど雨に打たれながらカミナリにおびえていたことがある。
死の恐怖だ。 
日暮れ直前にカミナリが止み、薄暮時の地図にも載っていないオフロードを
走りに走りって山を降り、福井県の武生市の街灯りが見えた時は
「生きている」 と思った。
武生の銭湯に入った時に、ひきつりながら一人で笑っていて、周りの客がひいた。
その風呂に入りながら、ただ、ひたすら感じていたことは
「自分はこんなに生きたいと思っていたのか」
ということだった。
死ぬ勇気がないという人がいるが、それは生きる勇気があるということだ。
ただ、おそらく誰もがもつ自分の生きる勇気に気がつくことに、
理論や観念、道徳では難しいということなのだと思う。


根室の漁師さんから 「ぶんすいりょう」 という言葉を聞いた。
字は、たぶんだけれど 「分水領」 と書くのだと思う。

魚は海流の交わるところなどの危険な海域にたくさんいる。
その海域に行けば宝の山にもぐりこんだようなものだが、
行き過ぎてしまってはもう戻れない。
小さい漁船に魚を満載しても危険すぎて帰れない。
海流の危険度と、どれぐらい持帰るかを
ギリギリのところで見極める。

危険な仕事ほどギャラはいいが、
死んでしまっては本人にギャラは入らない。

スポーツ選手は普通の人から見れば信じられないほどの
トレーニングをする。
本人にとっても限界に挑戦するような苦しいトレーニングを
することがあるのだろうが、 「分水領」 という限界点を
見極められらなければ、自分自身が壊れてしまう。

船は、港にいる時もっとも安全だ。本当だろうか?

自分でこの言葉を選んでおきながら反論するものおかしいが、
港にいるのも船の目的のひとつだ。
そして、逆に港で船が沈没するということも大いにありうるのだ。

「分水嶺」 という危険を知る叡智が、
安全なのだという気がしてくる。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2009-10-20 02:14 | 草仏教


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