2010年 03月 24日

着メロ

鳴らさないように事前にアナウンスなどはされてはいるものの、
お通夜の儀式の最中に背後から携帯電話の着メロが鳴り響くことがある。

特に遺族の方にとって「お通夜」 はまだ非常事態の続きであり、その一大事のなか
交通事情などによりかけつけるのが遅れている親戚や知人などの関係者に
お通夜の直前まで携帯電話で連絡をとっていらっしゃる場合も多い。
「ご列席の方は携帯電話の電源を切るかマナーモードにしてくださるようお願いいたします」
というようなアナウンスが会場に入っても、コンサートとは違うので耳に入らないということも
あっていたしかたない。
マナーモードというのはほとんど無意味であるので、
携帯電話の電源を切るべきなのだが、そういう時に限って
OFFにすべきものがONのままである、ということがあるのも仕方ない。

そして、そういう時に限って、つい先ほど連絡が取れなかった相手からの
着信をお通夜の最中に受けるということが起こりえる。

携帯電話が普及していない頃のお通夜は主に翌日に控えた
葬儀のための準備であるという本来の趣旨も徹底されていたが、
携帯電話が普及しはじめた頃から、お通夜は本葬よりも参列することに重きが
置かれる儀式となってしまった。

そういうわけで、時々起る 「お通夜で読経中に参列者の携帯の着信音を聴く」
ということについては寛容であるつもりでいるのだが、

・ドラえもんの主題歌
・スパイ大作戦のテーマ
・サッポロ一番のCMソング
・京都競馬場のGⅠファンファーレ
・志ん生の出囃子

などの音を読経中、背後で聞いたことがある。
志ん生の出囃子 などはロックアレンジがほどこされたもので、
これは調べたり人に尋ねてみたことがあるが、ロックアレンジというのは
見あたらなかったので、おそらく自分で作成したのだろう。
(ちょっと自分も使ってみたいという思いがあった)
妙に感心したものの、これらを鳴らした人は気まずかったに違いないだろう。

カジュアルな会議などと違ってドアを開けて廊下に駆け足で出て
(この動作、日常でもカッコ悪い)
「モシモシ、ごめん今さぁ、お通夜に参列しているんだよ」
などということもできず、
ひたすらその場でフリーズするしかないだろう。
本人が数秒前には思いもよならかった
「ばつの悪い思い」 という罰を受けちゃうのだ。

普段の生活のなかでは 「おもしろい着メロを入れているね」 という評価でも、
さすがにお通夜の最中ではただ気まずいだけであろう。
読経する私も軽く驚いて声が止ることもあるし、
もともと沈黙のタイミングの時に着メロが鳴ることもある。

その沈黙には、なかなか着メロを鳴らした本人は耐えられるものでは
ないと思う。

発信する人別に着メロを変えるという人もいるが、
普段は電源の ON と OFFに 「慣れている」 と思い込んでいる人ほど
やらかしてしまう失態のように私には感じるので、
着信は、いざという時のために無難なものにしておいた方がいいと思い、
私の着メロはブラームスの弦楽六重奏曲第一番の第二楽章、
シャラポア(妻・日本人)の着メロはオルゴール音での 「乙女の祈り」 である。

もしよろしかったら、皆さんの着メロをお教えください。
そして、もしお通夜の席で鳴らしてしまったとして
★   お通夜の席から即退場
★★  微妙
★★★ 穏便

の三段階で、その場面を想定しての返答コメントをしたいと思います。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2010-03-24 22:29 | 草評


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