草仏教ブログ

kaneniwa.exblog.jp
ブログトップ
2010年 04月 27日

草仏教経済学(12) 黒いマクドナルドの出現 と フランチャイズ制

東京の渋谷区や港区の13店舗のマクドナルドが
「黒い看板のマクドナルド」 となって新装開店となり、
約三分の二のメニューが10円~50円高いものとなるそうだ。

どこが違うかといえば 
「従業員の制服が高級っぽい」
「椅子やテーブルと内装が高級っぽい」 
「東京都内一等地の店舗」

ということが違うだけで、出てくるハンバーガーは同じであるから
その付加価値というか雰囲気だけで 「いったいいくら取れるのか?」
という実験的な要素も入っているみたいだ。

マクドナルドのハンバーガーが好きか嫌いか別にして、
何だか日本人の節約疲れを察知した機敏な措置をしたというような
したたかさは感じた。

そして、そもそもアメリカ合衆国では地域別に価格設定が違っていたのに
日本では創業以来全国一律であったマクドナルドのハンバーガーの価格に
はじめて 「格差」 ができた。

「ビッグマック指数」 に、東京の13ヶ所とその他の地域とで
はじめて違いが生じてきたのだ。




1個のビッグマックを購入するのに必要な労働時間を算出することにより、
その国、もしくは場所の物価に比した賃金水準を推計するという指数がある。
ビッグマック指数(Big Mac index) という。

TOYOTAのランドクルーザーの方がより多くの国と地域を走っているのだろうが、
これは経済指数のサンプルとするには高性能自動車は身近なものではなく適さない。

ビッグマックというマクドナルドの主力商品は世界中でほぼ同一品質のものが
販売されており、原材料費、(マクドナルドの)人件費、(店舗の)光熱費、
などをもとに単価が決定されるため、指数を出すサンプルに最適なものだった。

考案したのはイギリスの経済専門誌 『エコノミスト』 である。

ただ、金融危機の影響でマクドナルド全店が撤退したアイスランドでは
現在、このビックマック指数は 「測定不可能」 と出すしかなく、
同じアラブの産油国でもサウジアラビアでは
70円ちょっとでビッグマックが買える (さすがにこりゃ安いなぁ) のに、
隣国のクェートは約800円 (さすがにこりゃ高いなぁ) と10倍以上の開きがある。

さて、そういう具合でビッグマック指数は
「あてになる数字かどうか?」 ということはあるものの、
ビックマックがいちばん短い労働時間で手に入るところは
どこなのか? というと、これが意外なことに日本であった。
食料品は全般に世界的に高い国であるはずのこの日本である。

私の学生時代、マクドナルドのビッグマックは300円以上していたと思うので、
それから25年以上経った今日、そこからむしろ値下がりしていることを思うと、
なるほどそうかもと思う。
その分、ファーストフード業界はもちろん外食産業の競争のなかで
マクドナルドはホメ言葉でいえば 「トップランナー」 であり、
けなす言葉でいえば 「煽動者」 であったといえる。

日本マクドナルドの国内店舗数は2009年末時点で3715店だそうだ。
これを機会に 「黒いマック」 だけでなく 「緑のマック」 や
「黄金のマック」 というようなバリエーションがあってもいいと思う。
(看板の色だけでいえば京都のエビ茶マックや軽井沢の白マックはあるが)

先月末、春スキーに行った際に、ふと
「期間限定店舗で、このゲレンデに吉野家やすき家があればいいのに」
と思ったことがある。牛丼(並)が街中より50円ぐらい高くても許せる。
そこまでしてファーストフードが食べたいという思いではない。 
むしろ普段はなるべくファーストフードを食べないようにしている方だ。
そして訪れたスキー場は日本のスローフード運動の先進県にあった。
ただ、素晴らしいスキー場で滑りまくって何を食べても美味しい状況であったがゆえに
街中の大衆食堂の値段3割高、味は3割減という感じだったのが少し悲しかった。

スキー場に 「黒いマクドナルド」 があれば、これは各メニューが少々高くても
「よく知っている味がその状況で食べるといかに美味しいか」 
ということを確認するためにきっとそこで食事をしたと思う。

なぜ経済人でも食品業界人でもないのに、
そしてフィレオフィッシュはちょっと好きだがマクドナルドのハンバーガーを
熱愛しているわけでもないのに、今回の 「黒いマクドナルド」 に関心があるかといえば
本山というものがあり、解釈の幅は広いものの同じ教義、同じ経典を重んじる寺院がある
というフランチャイズ制というものの元祖といえる生業(なりわい)のなかに居るという実感からだ。
フランチャイズ制は 「枠」 であり 「しばり」 とも考えられるが、それがあるからこそ
「ここの地域性・独自性」 とか 「ここでしかできないこと」 を考えられる面も確かにある。

ファーストフードではなくこれはコンビニエンスストアのお話だが、
浄土真宗でいえば本派本願寺派(本山・西本願寺)の寺院数は
セブンイレブンの店舗数とほぼ同じであり、
真宗大谷派(本山・東本願寺)の寺院数はローソンの店舗数と
ほぼ同じであるという法則を発見した。

なので、ローソンの店舗がなくなったりすると、
ちょっとドキッとする。

マーヒー加藤

 
[PR]

by kaneniwa | 2010-04-27 23:46 | 草評


<< んだず(YES)山形 (1) ...      コッヘル117番 日の菜(日野... >>