2011年 01月 05日

草仏教経済学(13) 新春ラットレース

競争社会であるから競争が激しければ激しいほど
いいものができ、それがリーズナブルに供給でき、
サービスの質も向上していくということが原則のように
言われてきた。

まあ、そういう一面もあろう。
「お坊さんコンテスト」のようなものがあんまりない私の業界では、
活力のようなものとして何かの競争のようなものが、
もっとあった方がいいというような意見さえある。

あんまりないな、お坊さんのコンテスト。
2年ほど前に、タモリ倶楽部 という深夜番組で
お坊さんの宗派別による衣(ころも)のファッション・ショー
という企画はあったな。
審査員に みうらじゅん氏とともに、デビュー直後の
ブレイクするちょっと前の時期のパフュームの三人が居た。
ま、この話はいいか。





さて、そういう競争社会のなかで、競争による疲弊(ひへい)というのか
徒労感というのか、そういうことも昨今はよく言われるようになった。

異業種の同級生なんかと酒を飲んでいると
「お坊さんというのは競争社会とは遊離しているからいいな」
というような意味のことをよく言われる。
「とんでもないよ、俺だって10年以上勤め人経験はあるから思うけど、
代わってくれる人がいるなら勤め人に戻りたいと思うこともあるよ」
と反論する。
野生動物で、自然淘汰の原則から遊離して楽に生きているヤツは
どうも見あたらない。
なまけもの だって天敵を避けるためにかなりがんばって
木にしがみついているわけで、それでもたまにワシなんかにやられる。

ライオンの雄なんて、かなり楽そうじゃないか?
という反論があるかもしれないが、
あれは子どもの頃にかなり厳しい淘汰に遭っている。

そういう意味では、人間社会のなかの雄ライオンというのは、
たとえば海老蔵の名前なんかは出さなくてもいいが、
子どもの頃から厳しい躾なりトレーニングなりを受けてきた者とか、
それから東京大学の名前なんかは出さなくてもいいが、
超難関と言われる試験を突破した者なんかは楽に見える。
でも、それはそれで楽ではないと思う。

私がキャバクラなどでいちばん間違われる職業は 悪徳弁護士である。
(なんで悪徳がついているんだよ?)
弁護士なんかはやはり難関の司法試験をパスした人だから
いい職業に思えるが、裁判というのは建て前としては
和解や調停の場であるが、同時にすなわち、
勝訴か敗訴かという勝負の場である。
厳しいねぇ。

そうなると、確かに真面目にやるべき時は真面目にやっている
つもりだが、他店やライバル会社のことを気にしているわけでなく、
勝つか負けるかの勝負をしているわけでもない私の生活を
「うらやましい」
と言うのは、その気持ち、まったくわからないわけではない。

ようやく本題に入れそうだが、
「人さまが休日の時にこそ働かなきゃいけない」
ということはある。

週末、祝日、連休などというものは楽しみにするのが普通の
感性であるが、その言葉に身構える職種もたくさんあるのだ。
私もそうである。
お正月なんかはその代表であり、
これは寺院にもよるが私のところは
今頃になってようやく録画していた年末年始のお笑い番組を
見ることができ、ようやく新春気分である。
ようやく油断しながら酔っぱらう。

ところが、昨今はカタギの人々が元旦から働いている光景が
よく目に入る。
流通業界なんか元旦から働くカタギの人の業種の代表になった。
コンビニはもちろんのこと昨今のスーパーマーケットなんかは
元旦から営業しちゃっているじゃないの。
これは過当競争だ。
ラットレースだ。

昔、といっても今年で48歳になる私(卯年)が、いつ頃を指せばいいのか
わからないが、少なくとも30年前は三が日は休んでいたと記憶している。
百貨店もスーパーマーケットもいろんな小売りも1月4日が初売りだった記憶がある。

いつの間にか、それが1月3日になり、1月2日になり、
とうとう1月1日がスタートになっちゃった。
福袋なんか1月1日に売りだして当たり前になっちゃった。

「流通」 という言葉は、おそらくこれが語源だが、
流通(るずう)と読めばお釈迦様の教えが伝わっていくことである。
お釈迦様は働くことの尊さも教えてくれたに違いないが、
休むことの大事さも教えてくれたはずだぞ。

1月3日までみんなが休んでいたから、
保存食を中心にしたおせちで過ごす意味があった。

だからこそ年末の買い物にはとても気合いが入った。
その気合いが最近、どうも入らなくなったわけだな。
元旦から営業しているところが多いなら、大晦日の意味も
かわってくる。

ここら辺にも、日本経済低迷のツボがありそうな気がする。

「これで何とか年を越せる」 という、
かつての日本人がもっていた平均的な年末の安堵感が、
どうも違うんだな、最近は。

「これで今日一日を生き延びられる」 になってきちゃっているのかな?

24時間営業の店には何時も行かず、
年中無休のお店には年中行かない、
という人が増えないことを祈る。

マーヒー過当加藤
[PR]

by kaneniwa | 2011-01-05 01:17 | 草評


<< 新年早々 長女(12才) がブ...      コッヘル126番 なめこ蕎麦 ... >>