2011年 01月 20日

草仏教経済学(14) ユニクロに行く時に何を着ていくか?

年末年始に3回ほどユニクロを訪れたぐらいの経験は
経済を論じるための市場調査の回数としては非常に少ない。

ただ、予感に近い「気づき」のようなものがあったことは事実だ。
たった3回の調査であるので笑止千万、荒唐無稽は覚悟の上で、
私の仮説のようなものを開陳したい次第である。



ユニクロに行く時に何を着ていくか?
小論の前提となるべきこの命題に
「ユニクロ」
と答えることは実に真っ当であり正論であるはずだ。

ところが、店舗内で女性をジロジロ見るのは気がひけたので、
なるべる同年代とおぼしき男性に限って観察してみたのだが、
意外なほどにユニクロを着てユニクロで買い物する人がいなかった。

もちろん、全然いないなんてわけはない。
しかし、その率たるやプロ野球のピッチャーの打率ぐらいの感じ。

何を着ている人がいちばん多い感じかというと、
上着でいえばアディダスとかナイキとかのスポーツ系のもの。
ジーンズでいえばリーバイスとかエドウィンとかが目立ち、
ユニクロを着てユニクロを選びにくる人があまりいない気がした。
かく言う私もユニクロに行くのに3回ともユニクロを着ていなかった。
(いちいち意識はしていないが、気がつくとそうだ)

3回のリサーチ、それも自分の買い物のついでなので予感に近いが、
これは何を意味しているのだろう?

ユニクロは、昨年のヒートテックのような爆発的に売れる新製品は
ないので売り上げ目標のようなものはむしろ下方修正している。
では、ユニクロ衰退の現象を私は3回見たのか?といえば、それは違う。
むしろ、「恐るべき底力を見た」 という思いがする。仮説だが。

高級ブランド服を買いに行く時に、それと同じブランドの服をもっていれば
「わざわざ」 それを着て行くはずである。
これはまったく勘での予測だが、高級ブランドでなくても、
スウェーデンのアレとか、アメリカのアレとかの店舗では、ソレを
着て買い物をしている人の率が高い気がする。
その、「わざわざ」が衰退してきたことなのだという現象かもしれない。

ユニクロの衣料の特徴は、「安い」 というよりも
「値段の割に品質がいい」 ということであると思うが、
その割に「愛着をもたせない」という特徴がスゴイ。
自分でもユニクロをほめているのかけなしているのか、
どっちなのか全然わからなくなってきたが・・・

まさに愛着の着は着るという字なのだが、けっこう長く愛用してきた
ユニクロ衣料でも、不思議とその愛着をもたせない。
フリースを例にとると、ボロボロになったモンベルは捨てられないのに、
ユニクロの方はヘタれたら処分するのにあんまり抵抗がない。
これは単に値段が3割ほどモンベルの方が高いから、という理由だけでは
この違いは私のなかでは説明がつかない。
ジーンズでいえば、他はかなりヘタれたものでも捨てられないのに
ユニクロは「別格」である。
これが自分でもよく分からない。
よく説明がつかない。

よく説明がつかないのだが、
私の見た現象を説明する仮説を立てると
「人々は、処分したユニクロの代わりを買いに、処分できない
服装に身を包んでユニクロにやって来ているのではないか」
ということになる。

まったくユニクロをほめているのかけなしているのか、
柳井さんが語るドラッガーみたいに自分はわからない。

ただ、何となく「愛着をもたない」というトレンドは感じる。
今、日本で、突然に脚光を浴びた 断捨離 と関係あるのかどうか?
「ユニクロなら捨てられる」 みたいな。

たとえば毎年7月上旬のウインブルドンの男子シングルス決勝戦は
テレビを見る。
ロンドン近郊の超名門テニスクラブのセンターコートのチケットは
高額だし、ケント公は観戦しているし、夏のスポーツ観戦とはいえ
ファッション度みたいなものは非常に高い場であるはずだ。
どうも、時折テレビカメラでアップになるその場の観客の服装を見ていると、
どんどんと 「愛着をもたない」 感じの服装の人が増えている。
そこにドン小西が居れば、ドン小西がいちばんかっちょ悪い、みたいな。

ただ、私も3回のたまたまリサーチでうわべだけしかこの眼にうつって
いないことは自分で認める。
これはリサーチしたり確認するわけにはいかないのだが、
ユニクロに集っている老若男女の下着の方は、
これは今が冬だということもあって、
ヒートテックをはじめとするユニクロ製品の率が非常に高いはずだ。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2011-01-20 23:13 | 草評


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