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2011年 02月 07日

コッヘル132番 飯寿司 (いずし)

b0061413_0143568.jpg 寿司といえば通常は握り寿司か、あるいは巻き寿司を連想するのが普通だ。ちらし寿司というのもあるし、関西の箱寿司や鯖寿司などの棒寿司もあり、あとはそのバリエーションを思い浮かべるぐらいだろう。節分の恵方巻というのもあるが、あれは10年前ぐらいから突如、コンビニやお持ち帰り用寿司チェーン店の戦略で広まったものだ。私も関西の生まれであるが、恵方巻を知ったのはその10年前だ。 寿司で鮒寿司をすぐ連想する人は琵琶湖周辺にしかいないと思うし、そういう人は激減した琵琶湖の鮒とともに減少しているはずだ。今、鮒寿司は貴重な伝統食となって「ひと切れがいくらになるか?」という食べ物になった。 タイなどの暑い国にも、かなり昔から生魚を発酵させた食べ物があるということで(これが寿司の原型という説もある)、江戸時代に江戸で開発された握り寿司の歴史に比べて、石川県の「かぶらずし」なども含めて、なれずしの歴史はかなり古いと言える。

b0061413_015947.jpg 日本の北海道から東北地方と新潟県の北部あたりに飯寿司(いずし)と呼ばれるなれずしがある。どうも新潟県の北部あたりが南限のようだ。新潟県北部では鮭に米麹に塩に野菜という組み合わせが主流のようだ。自分のところではまだ発酵加減を見極める技量がない。これは知り合いのおばあちゃんが差し入れしてくれたものである。チーズのように毎日、少しづつ味が微妙に変化して「麹菌が生きている」ということを感じる。「寿司を食べようか?」と言われて、この発酵なれずしの系統を思い浮かべる人は少ないだろう。特に子どもや外国人ならば、たとえば回転寿司の皿にのる寿司を思い浮かべる。この飯寿司は回転寿司の皿の上には滅多に載らないだろう。普及性というようなことに関してはこの飯寿司は握り寿司に大きく劣る。しかし地域性とマニアックさでは勝る。欧米の食べ物で、そういう地域性とマニア度が重んじられる食べ物を探せば、やはり同じ発酵食品であるチーズであろうか。ただし、この飯寿司に合うワインを探してくることはいかに田崎真也であろうとも難しいはずだ。結論として、田崎真也でも「同じ米麹を使った日本酒しか合いません」と言うと思う。飛行機のなかで読んだ冊子で、田崎真也のソムリエとしての絶対基準は「少年時代に遊んだ寺の境内の土の香り」だという文章に接してから、田崎くんのことは何だか信頼している。 最後に関係ないようなことを書くが、私はフィクションとして「小象寿司」、あるいは「子象寿司」という店を考えた。ブログなどにチョロッと書くために、このアイディアを他にも思いついた人はいるかなぁ?と検索をかけてみたら、何とタイのバンコクのタニヤプラザの3階に、象のマークの小象寿司という店がそのまんま実在しているではないか!これにはショックを受けてしまった。


マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2011-02-07 00:52 | 草外道


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