2011年 02月 19日

この人を見よ (2) 蒲田 健 (がまだ  けん)

蒲田 健 という人はなかなかスゴイのではないかと
思うようになった。
この人、希有な「インタビューの名手」と言えるような達人だと思う。

たとえば、見ている人はたいへんに少ないのだが(ニールセン君などがそう言う)
NHK教育で日曜の早朝に宗教家とか思想家とか学者などと
NHKのアナウンサーが対談する番組がある。
対談するNHKのアナウンサーはとてもよく勉強しているが、
この時には悪い意味での公務員となっていてツッコミが物足りない。

かと言って、NHKや民放で爆笑問題がこの手のインタビュアーになる時には
太田はアクセルを踏みすぎで、田中はブレーキの役割を果たしきれない。
おちょくりとリスペクトの狭間で対談相手の本性を引き出す前に
いつも空転している印象が強い。
やっぱり爆笑問題には対談ではなく漫才をやってほしい。

蒲田 健が、とてもいい。
ひとつだけ難点を言えば 「ウン、ウン」といううなずき声がやや過剰だ。
でも、これは基本的にラジオというメディアで確かにうなずいていることを
聴視者に示さなければいけない最低限の演出なのだと思うと我慢しなきゃいけない。

蒲田 健は私よりも3つ年下か。
サッカーのJリーグのジェフユナイテッド市原・千葉のスタジアムDJをしている。
なるほど、まずDJとしてのいい声とリズムをもっている。

私が 蒲田 健 というパーソナリティを知ったのは
ラジオ版 学問ノススメ という番組だ。

これはJFNという38局をネットワークしているFMラジオで聴けるが、
上記ホームページからMP3にダウンロードして聴けるスペシャル・エディション
がありがたい。ちなみに podcast でも同じものが聴くことができるのだが、
バックナンバーも整理してある上記のホームページがとてもいい。

事前に対談相手の著書・著作をかなり読み込んでいることが聴き取れる。
そしてサッカーのスタジアムDJらしく、ときおり対談相手に即興的な
「キラーパス」を投げかける。
台本のある予定調和の質問でないことぐらいは感覚でわかる。
たいがいの場合、対談相手はこの「キラーパス」を喜んで受ける。
受けて喜んでいる様子が、対談相手の声のはずみ様で察知できる。
「キラーパス」は、知性が運動神経のなかにもないと、なかなか出せないと思う。

また、
「それってこういうことなんですか」
という時の譬喩(ひゆ)の出し方が、カジュアルながら精度が高い。
専門用語を噛み砕いてやって分かりやすくさせてやろう、
などという態度ではこの精度は出ない。
日常語の方を吟味していく方向性ではないと出せない譬喩を出す。


対談相手へのリスペクトの念も、強すぎず弱すぎず、ほどよい。
ただ、最近では吉本隆明が相手の時は、ちとビビっていたかと思う。
たぶん、蒲田健のなかでのリスペクトの念が強すぎたのだ。
娘の吉本ばななが相手ならばほどよかったはずである。
(あくまで一聴視者の感想です)

普通、対談で聞き手の方に注目してしまうという人は少ないだろう。
私はその少数派の一人である。

仏教の影響かもしれない。
「如是我聞」(わたくし、このように聞こえたのですが)
と言う人がいなかったら、お釈迦様の言葉はなかったのだから。
阿難(あなん)や舎利弗(しゃりほつ)という聞く人がいなかったら、
私のところに仏教が伝わる要素などまるでなかったのだ。
まあ、単純に言って 「この人、スゴイこと言っている!」 と
分かったり、うなずいたり、感じられる人がスゴイ。


マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2011-02-19 00:24 | 草評


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