草仏教ブログ

kaneniwa.exblog.jp
ブログトップ
2011年 06月 05日

東本願寺のゆるキャラを総評する

b0061413_23323983.jpg 仏教系のゆるキャラで物議をかもし出したのが奈良の平城遷都1300年のマスコットキャラであったせんとくんだった。仏のシンボル(仏教美術としても如来と菩薩にしかつかない)ともいえる白毫(びゃくごう)を眉間にもちつつ、同時に鹿の角も生えているというせんとくんのデザインには奈良の仏教会からの反発も大きかった。千昌夫のようにもともと眉間のその位置にホクロか何かある人を除いて、おいそれと白毫をつけることはできない。(千昌夫は手術で白毫にも見えたホクロを除去してからオーラのようなものが消えちゃった) しかし、たとえば真宗大谷派大阪教区の公式ゆるキャラであるブットンくんなんてどういう評価になっちゃうのだろうか?仏恩報謝(ぶっとんほうしゃ)という言葉にその名の由来があるとはいえ、豚キャラに白毫がついて真宗大谷派僧侶が決して着用しないタイプの僧衣を着ている。 ま、ともかく東本願寺に行った時に知っている職員を見つけたので「おい、あのゆるキャラたちは何処にいるんだ?ひと目会わせろや」と声をかけたら、ホントに勢揃いして挨拶に来てくれた。この三キャラ勢揃いは珍しいことだという。まず左が鸞恩(らんおん)くんだ。何と大阪に住んでいるブットンくんの叔父さんだという。好きな食べ物はあんこと豚肉を除く肉らしい。豚肉以外の肉、というところに親戚であるブットンくんへの配慮が感じられた。趣味は旅行と御香の収集だと言っていた。『大無量寿経』に「説法獅子吼」(獅子がほえるごとくに説法する)というフレーズがあり、「鸞恩(らんおん)は、それと関係ありますか?」とインタビューすると「わかりません」と、洞穴のなかから聞こえてくるような声で本人は言っていた。写真の中央はあかほんくん。好きな食べ物はお仏飯とリンゴで趣味は海辺の散歩だそうだ。右側が蓮(れん)ちゃん。好きな食べ物は甘茶と甘露煮。趣味はガーデニングと生け花と池の畔での読書だという。

b0061413_233394.jpg 実物のゆるキャラに合ってみて、「あかほんくんが開く」というのはサプライズであった。まさか開いて読めるキャラだとは思わなかった。記されていたのは三帰依文(原文はパーリ語)であった。あかほんくんは、これは構造上の難点であるといえばそれまでだが、キャラとしての目はついているものの視界がすこぶる悪く、独りでは歩けずに職員などの介添えが必須であるようだった。これは動くキャラとしては欠点だったはずなのだが、それが転じていい効果を生んでいた。独りでは歩けないあかほんくんが赤ちゃんのように可愛いのだ。これは驚きだった。実際、この時はその介添え役を蓮ちゃんがしており、あかほんくんの表紙を開いたのもその蓮ちゃんだったのであるが、その二体の動作がそれぞれに可愛い。写真ではなく動画で撮っておけば良かったと悔やむぐらいである。「どんなにいい本があっても、それを手にとって読む人がいなければ何も生まれませんよ」というメッセージを無言のゆるキャラがくれたような気がする。私の推測では三体のなかに入っているのは新任の東本願寺職員であるという気がしているのだが、一説(都市伝説)によれば宗務総長や大学教授がなかに入っていて参拝者をじっくりと観察しているとかいないとか。 このゆるキャラたちは「公募」で生まれた。いいことだ。ゆるキャラのみならず、東本願寺はいろんなことを公募していくべきだと思う。法語そのものなど、教化テーマそのものなども公募すべきだ。公募していろんな人たちと接点をもち、その公募から選び出すプロセスを公開しながら徹底討論できるところに、同朋公議(どうぼうこうぎ)を旨とする教団のアイディンティティを見いだすべきである。


マーヒー加藤
[PR]

by kaneniwa | 2011-06-05 23:37 | 草評


<< コッヘル141番 水無月(みなづき)      小布施の甘精堂・泉石亭で昼食 >>