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2011年 07月 09日

電車のなかでの読書、その泣き笑い

電車のなかで読書をしている人が笑っているのを
見たことはあると思う。
漫画も読書に含めると、実によくあることかもしれない。
わざわざ本人に「何を読んでいるの?」と問いただすことは
めったにないにしろ、ブックカバーなしで本が目に入れば、
それを買ってみたいとは思う。
そして、たまに読書で泣いている人もいる。
何を読んでいるかはとても気になる。

大新聞に広告を出すよりも、電車のなかに乗る
サクラ(劇団員のみなさん)に宣伝したい本をカバーなしで
読ませて笑わせたり泣かせたりする方が宣伝効果が大かもしれない。

私が新婚の頃だからもう13年前ぐらいだろうか、
東京から長野に出張している時、隣に座った女性が
一冊の本を読み、途中ですすり泣きをはじめた。
女性は本を閉じるとハンカチを取りだして
今度はけっこう本格的に泣き出した。

二人がけの席であって、
途中から乗ってくる客、車掌さん、車内販売のお姉さんの目に
どうも私が悪い男で
女を泣かせてしまっている光景に映ったような気がして
どうも居心地が悪かった。

私は 「あの・・・どんな本をお読みになっていたのですか?」
と思い切って声をかけると、女性が差し出したのは
浅田次郎の 『鉄道員(ぽっぽや)』 だった。
女性は本を指指しながら
「この、うぇーん、本のなかの、うぇーん、
『ラブレター』という短編を、ひぇっく、読んでいたら、
うぇーん、涙が、涙が、涙がチョチョ切れて、えーん、
止まらなくなっちゃったのです・・・うぇーん」


と、涙ながらに何とか語ってくれたのだった。

長野で東京に戻る際に駅の近くの書店で『鉄道員』を買った。
この本が出てまもなくの頃で、バカ売れしているらしくて
レジの前にも平積みしてあった。
それを読み始めた。
「ラブレター」も読んだが、私には泣くほどではなかった。

翌朝だったか、その翌々朝のことだったか・・・
私は妻(当時新婚の妻・日本人)の泣き声で目を覚ました。
寝床で読んでいたのは私が買ってきて置いてあった
『鉄道員』で、泣いていた時に「まさか?」と思いつつ
「どこを読んで泣いた?」
と尋ねると、まさに本を開いて見せたのは
「ラブレター」 だったのだ。
女を泣かせる浅田次郎の力、恐るべし!

つい最近、私はシャラポア(妻・日本人)の笑い声で起きた。
読んでいたのは、私がもらった本でゲッツ板谷が世に問うた
『板谷バカ三代』 という本。
(2001年に角川から出ていた本だが、今は手に入るかな?)

野球解説者の別所毅彦さんが「プロ野球ニュース」に解説者として
出ていた頃、
「いやあ巨人の状態はもう崖っぷちかな、わははははっははっはははっは!」
と豪快に笑うのを受けてフジテレビの福井アナが

「昔は、泣くな別所・選抜の花、と言われた方でありますが、
 現在は、笑うな別所という感じであります」


と言ったのを思い出した。

笑うなシャラポア!
その本はなぁ、最後半でちょっと泣けるんだぞ。
私にとっては浅田次郎よりも泣けるんだぞ。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2011-07-09 23:45 | 草評


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