2011年 10月 11日

うーん・・・ランダム

b0061413_135649.jpg15年ぐらい愛用してきたNakamichi製のCDプレイヤーが動かなくなってしまった。7枚のCDが入るオートチェンジャー式のもので7枚をひっくるめたランダムプレイも可能であった。この7枚全体のランダムプレイというものを指示してやると、CDプレイヤーはまるでジュークボックスの中身のように曲が終わるごとに忙しくガチャガチャと動く。いつか壊れるとは思っていたが、とうとう先日動かなくなってしまった。生産中止から10年以上経っているし、2002年にナカミチ株式会社は事実上倒産している。かといって捨てる気にもなれず、将来、この時代のオーディオが大好きで修理もできる救世主が私の前に現れてくれるかすかな期待(いや、甘い願望だな)をして置いてある。アナログレコード時代から、LPの連続再生(確か6枚)をするプレイヤーというものは存在していて、日本ではSONYが作っていた。LPの片面の演奏を終えるとレコード盤がサーカス的に上に上がっていき片面ずつだが6枚連続再生をするというもので、おそらく当時のショットバーのようなところ以外にはあまり用途がなかったものだと思うが、正直これに憧れた。



CD時代になって、そのオートチェンジャーはずいぶん身近なものになったし、
1枚のみが入る普通のCDプレイヤーでも「ランダム」という機能をおもしろく思った。
クラシックの曲がいきなり第三楽章から始まることや
ポップスやロックではたとえばビートルズの
『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
みたいなコンセプトアルバムを従来の曲順での再生をしないのは
邪道ではあるとは思いつつ、もともと邪道が大好きだ。
次はどの曲が来るかにワクワクし、
その予想が当たっても外れても
アゴをさすりながら うーん、ランダム とニヤけるように再生を楽しんだ。

その時々のお気に入りのCDを7枚入れて、総ランダムをかけるという再生を
長年やっていたのだが、肝心のCDプレイヤーがとうとう壊れてしまった。
しかし、その頻度からいえばよくぞ今日まで動いてくれたものだ。

しかしランダム再生ということにこだわれば、
手持ちのiPodにはCDにして200枚分ぐらい入っている。
5分前後のポップスに換算して3000曲ぐらいは入っているか?
これを「全部を対象にしてランダム」という設定にして
しばらく聞きながら何かをする生活をしていた。

いきなり飛び出てきた音楽が
トルコ音楽の 「チェデン・デデン」であった。
びっくりして心臓がドキドキした。
モーツアルトのラルゲット指定の2楽章など静かな曲の後に
ヘビメタやパンクが再生されるのもビックリするが、
この
「いきなりチェデン・デデン」という音のびっくり箱を超える衝撃には
いまだに出くわしていない。

ある時、グレン・グールドが弾くモーツアルトの 
「トルコ行進曲」の後に
「チェデン・デデン」が再生されたことがあった。
相変わらず予期せずに耳にする 「チェデン・デデン」の衝撃とともに
「おお!トルコつながり!」
という、コンピュータ的なものにランダムされた無作為な選曲のなかの
つながりにビックリした。
これが、自分で予定した選曲であったなら絶対に驚いたりしない。

ある時、エリック・クラプトンの『アンプラグド』から
「Malted Milk」が再生された。
聞きながらワープロを打つ手をやめて
「おっ、こいつは久しぶりに聞くなぁ」
と耳をしばし傾けていた。
曲が終わり、iPodが次に選び出した曲が、何と
本家ロバート・ジョンソンの「Malted Milk」だったのだ。

「この順列組み合わせで再生される確率は・・・
 9000分の1でいいんだっけ・・・」

と、驚きつつ、同時に「次に何が来るのか?」
という期待が盛り上がってきた。
ローリングストーンズなどロバート・ジョンソンに影響を受けたミュージシャンや
同時代のブルーズマンなど、関連がある曲が再生される確率が
けっこうある。それは順列組み合わせの数万分の1の確率の世界になっていく。
何がかかるのか?JAZZか?レゲエか?クラシックか?ロックか?民族音楽か?
それとも音源上の仕分けをしていないから落語や野鳥の声、効果音が
来る可能性もある。

ロバート・ジョンソンの「Malted Milk」が流れる間、
どんな曲が来るのかじっと待っていたら、
次に流れてきた曲は いきものががり だった。
予期せぬ曲といえばまったく予期せぬものだった。
長女のCDを 「俺のiPodにも入れさせてくれ」と入れて、
自分でも忘れていた楽曲だった。

しかし、歌詞を聞きながらちょっと気になって 「うーん、ランダム」
とiPodが表示する曲名をのぞきこむと
「ホットミルク」
とあった。

わははははははははは、
Milkつながり!

印象に残る例をふたつあげた。
このことで、私は混沌を整理するのがコンピュータ、もしくは
コンピュータ的なものの仕事のように思われているが、
実はランダム、無作為の抽出のなかから作為やつながりをイメージさせてくれる
という仕事や役割がかなりあって、これからも可能性があるものではないかと
思っている。

その役割について、これ以上は上手く語ることはできないのだが
予定した出会いである Meet の世界から、
予期せぬ出会いである Encounter の世界を提示してくれるような。
Wonder(不可思議)の世界から Wondeful(不思議!)に導いてくれるような。

まあ、プロ野球のドラフト会議のくじ引きも
コンピュータのランダムで決めているのだから、
こっちもすでに現実世界の方が進んでいるかな?


マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2011-10-11 15:01 | 草評


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