2012年 01月 24日

残念なJRのダイヤ改正(今年の3月17日)

b0061413_0292121.jpg 今年の3月17日のJRのダイヤ改正により、青森と大阪を結ぶ特急寝台の「日本海」と新潟と大阪を結ぶ急行寝台の「きたぐに」が、繁忙期の臨時列車としての運行を除いて消滅することになってしまった。私としては子どもの頃からの親しみがあって何とも残念である。「きたぐに」などはいったい何度乗ったか数えることができない。「鉄っちゃん」というほどの鉄道マニアではないにしろ「気質に鉄分豊富」であることは間違いない。寝台列車がどうも時代に合わなくなってきたということは充分に認識していた。飛行機や高速バスの利用客が増えたし、寝台列車のベッド代より安いホテルなどは今はたくさんある。たとえば今の時期であれば、以前はスキー客なども多くいた時代もあった。今でも「きたぐに」の車両にはスキー置き場が一応あるのだが(3枚目と4枚目の写真)この10年間はそこにスキーの板が置かれていることがむしろ珍しい光景になった。

b0061413_0294052.jpg 昨年の11月に初めて家族そろって「きたぐに」の寝台で大阪に行ったのだが、家族全員がいきなりこのブルートレインの大ファンになった。シャラポア(妻・日本人)は「リズミカルな揺れでこんなに心地よく眠れるとは思わなかった」と言い、中学生の長女は3年前に私と同乗して以来、次なる機会を楽しみにしていた。小学校4年生の長男はその日をずっと夢見ていた。5歳の末娘は「ベッドが走る!」と感動していた。もう少し体が大きくなったら「きたぐに」の3段ベッドのいちばん上で寝たいと言っていたので、今回のダイヤ改正のニュースを告げるのが辛かった。それでも長年の寝台列車愛好者として「ありがとう、きたぐに」と言いたいが、同時にどこかで「ごめんなさい、きたぐに」とも言いたい。かなりの頻度で利用してきたとはいえ、早さと便利さと合理性を追求してきた者の一員であることに間違いはないからだ。

b0061413_0531126.jpg ブルーズの常套句というべきか古今東西「朝目を覚ますと…」という意味の言葉ではじまる名曲は数多い。文学だがグレゴール・ザムザのように朝起きたら自分がサナギになっているような激烈すぎる変化はシュールすぎるというものだが、朝起きると自分が違う土地に居ることのじんわりとした快感がたまらない。それは早朝だということもあって脳内から「今日はいつもの日常とは違うんだよーん」というニューロンがにゅろーんというパルス信号を出しまくってシナプスに達しつつ全身にかけめぐる。その状態で列車のドアから出たとたんに別な土地の空気が毛穴から入りこんでくるのだ。この感覚で関西に行くには新潟港から船で舞鶴か敦賀に行き、そこから京都を目指すという手はあるにはあるが…やってみたいことではある。あと、ヨーロッパに行ったらユーレイルパスで寝台列車三昧ということをやってみたい。書きながら自分がかなり寝台については鉄分豊富な気質であることに気がついた。

b0061413_0532921.jpg もうひとつ、書いておきたいことがある。新潟県(といっても広いが)というものは上越・中越・下越の三地方に分けられているが、北を上にした普通の地図の表示ではいちばん上が下越となっている。これは関西から日本を見た時代の価値観での命名であろう。実際に、高度成長期以降に田中角栄の帰省がどんどん便利になって東京とのラインが強く速くなった今ではピンとこない人がほとんどであるような気がするが、言葉、食べ物などのさまざまな文化面の伝統から判断すれば、新潟という土地は今の首都圏よりも断然関西とのつながりが深かったというべきである。これは常識というか、当たり前のことを書いているつもりだが現在はその関係性が意識しにくくなっている。そして、事実として新潟から大阪や京都に鉄道で乗り換えなしで行くということについては30年前、いや40年前に比べても格段に不便になっている。


マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2012-01-24 06:05 | 草評


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