2012年 07月 09日

愛着Tシャツ(1) nutsのゴールドタグ

b0061413_1448474.jpg 大相撲の名古屋場所が始まった。一年でいちばん暑い時期の本場所であり、しかも夏の暑さには定評がある名古屋での開催だ。ひとつ気がついたことがある。真夏以外だと力士の移動中のファッション(和服)にも格付けのようなものが存在しているように思うけれども名古屋場所では移動中の着物は横綱大関クラスでも幕下以下でも案外と同じような(近くで見ればそれでも記事の質の違いはあるのかもしれないが…)浴衣を着ていた。大相撲のような格付け社会にも「夏の平等性」のようなものが存在するということを感じる。「夏の平等性」とは何か?たとえば高級ホテルという場所では普通なら着ているものや履いている靴などである程度の貧富の差というか金のかけ方に差がつくだろう。ところが、常夏のリゾート地なんかであれば、足元もサンダルの人がほとんどの場所では外見からは誰が金持ちかなんてわからない。見た目だけは平等に近い。もちろんそんなカジュアルな服装にとんでもないお金をかける人もいる。ポロシャツなんかエルメスで198000円のものを見た。19800円とはさすが高級なものを作るなぁ…と思っていたらゼロが1個多かった。ポロシャツ一着が約20万円!襟がとれてTシャツであれば、さすがのエルメスだってこんな値段は付けられないはずだ。まあ19800円ぐらいまでならやりそうな気はする。(今、ネットで調べたら、わははは、本当に19800円であったなぁ、ただコットン100%で¥76,120という品もあるぞ…どうやったらこんなに高くできるんだ?)ともかくみんなTシャツに代表される軽装になる夏には服装の平等性のようなものはあると思う。

b0061413_14483342.jpg 2着で4980円のTシャツというとエルメスほどではないものの「ちょっと高いんじゃないか?」と思われるのが普通の感覚ではないかと思う。ところがnutsというMade in Japan(京都)のTシャツブランドのゴールドタグというTシャツの価値は、極端にいえば値段を超えたところにある。流通社会のなかで生きていると貨幣価値を飛び越えること自体の観念の説明すらややこしくなってくるが、ラテン語で言えばPatina(パティーナ)だな。時を経て刻まれていく風合いというべきもの。たとえばダッチオーブンだ。ダッチオーブンは10インチのテネシー州産なら約1万円。お鍋としてはやはり「ちょっと高いんじゃないか?」という値段だろう。ところが、青銅色の鉄の鍋を使えば使うほどに黒鹿毛のサラブレッドのような黒い輝きを放つようになってくるとその価値は買った時の1万円という貨幣価値での物差しを超えてしまう。経年劣化していくものや日々価値を下げていくものに囲まれていると、このPatina的なもの、日々その価値を上げていくものが得難い宝物に見えてくる。同じ衣料のなかでジーンズにはこのPatina的な考え方がVintage(ヴィンテージ)としてすでに定着している。若い高額所得者が金をかけるのもジーンズが多い。Tシャツでそのような経年劣化のプロセスを楽しんでいけるようなモノがあるとは、その可能性すらあまり考えていなかった。このnutsのTシャツは洗うと9%ほど縮む。何だnutsかしい(懐かしい)なぁ、この感じ。ダッチオーブンを使って手入れをするたびにいい感じになっていくように、洗濯するたびにいい感じになっていく。新製品のVネックもいい。作務衣の下に着るものを探していたら、このVネックのTシャツのVの角度が絶妙なので最適だった。そんなnutsのTシャツはシンプルに徹していて左袖に縫い付けられたタグだけが外見からの目印。首の後ろのタグさえ着心地重視のために付けていないという徹底ぶりだ。わがままなもので気に入ったがゆえにnutsならではの特色が欲しくなった。社長の岸本さんはどうも「日本文化伝統の日本固有の色」に着目されているようなので私は萌黄色(もえぎいろ)のTシャツをリクエストしておいた。萌黄色の色衣(ころも)は私の宗派の場合は宗派に願い出て許可を得なければ着用することができない。でも、日本伝統の色である萌黄は色見本番号#aacf53としてずっと存在しているので、その色のTシャツを着ることは自由である。やっぱりTシャツには平等性というものがあるなぁ。


マーヒー加藤

PS 岸本社長さん、もしもお読みいただいていたら
  利休鼠(りきゅうねずみ) 色見本番号 #888e7e
  なんかも欲しいです
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by kaneniwa | 2012-07-09 16:24 | 七草


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