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2012年 11月 03日

コッヘル188番 コロ(おでんメニュー)

b0061413_23553481.jpg 2週間ほど前に大阪の梅田はかっぱ横丁の奥にある酔鯨亭(すいげいてい)という土佐料理を中心とした呑みどころに立ち寄った。最初は はちきん という卵の黄身を酒盗(鰹の塩辛)で漬けたもので ダバダ火振り(栗焼酎)をチビチビと飲みんで、それだけで「もうたまらん」という感じにはなっていたのであるが、さすが土佐料理を看板に掲げるだけあってクジラのベーコンやらクジラカツ(メニュー名は唐揚げとなっていた)やらの文字を見ると「注文せよ」という声がどこからか聞こえてくる。「民の声は天の声というが、天の声にも変な声もたまにはある」と言ったのは福田赳夫元首相であるが、この酒場で元気よくクジラメニューを注文する人々の声が変な声であるとは思えず、そして「クジラを食べるな」という声が聞こえてきたとしても、私は衝動的に注文の声を発していたかもしれない。 さて、今回コッヘルにのっているのはおでんのタネとしてのクジラの皮つき脂身。昔の関西では牛スジとともにおでん鍋のなかのアブラっぽい分野のエース格であった。今はその希少性のために「幻のエース」という感じだろうか。まだクジラそのものに希少性は加味されていなかった子どもの頃、コロはそんなに大好物であるという感じではなかったが、大人になってからは希少価値に加えて「抜群にカラシが合う」「当然ながらビール、日本酒、焼酎が合う」ということで大好物となってしまったが、その頃(コロ)から、コロは手に入りにくい高級品ともなってしまった。この写真は秋のものであるが、真夏にお盆ウィークが終わってヘロヘロになっている時にビールを飲みつつ皮つきクジラの脂身を入れたおでん風鍋をやって大汗をかきつつ平らげた。最後に油が浮いた(でも嫌な感じの油ではない)スープを飲み干してひとっ風呂浴びると、何だか夏バテが楽になっていった充足感が体の内側からしてきた。そこには「体の一部分とはいえ、自分より遥かに体が大きい動物を喰った」という満足感のようなものがあった。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2012-11-03 23:56 | 草外道


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