2012年 12月 07日

ユングのシンクロニシティ(synchronicity)を考える

b0061413_21384055.jpg 6年前に5年ほど前の話として書いたことがあるので、11年ほど前のことである。車で寒冷地の出張先から帰ってくる途中に急に雪が降ってきて、車のフロントガラスの霜を取るためのスプレーを買おうと思った。確か高速道路を走っていたのだが、視界が悪いせいで万が一のことがあってはいけないとわざわざ高速道路を降りたのだ。ホームセンターでも良かったのだがオートバックスの看板を見つけて、霜取りのスプレーを1本買うだけの用事でそのオートバックスに立ち寄った。たくさんの商品が並べられているなかでレジに霜取りスプレー1本だけをもって行った。「ありがとうございます」と言ったレジ係の女性店員さんの胸の名札を見ると 「霜取」 と刻印されていた。 その時に急に寒くなってこなければ、ふとスプレーを買おうと思わなければ、など、いろいろな条件が重ならなければこんなに11年前のささいな出来事など覚えていないだろう。スプレーのことも出張自体のことだって忘れている気がする。 シンクロニシティ(synchronicity)とは「意味のある偶然の一致」のことで、日本語訳では「共時性(きょうじせい)」とも言う。カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)がクライアント(治療対象者)とカブトムシの話をしていたら、まさにその時、窓から一匹のカブトムシが部屋に入ってきたことから発想されたと聞いたことがある。その時にカブトムシが入ってこなければ、何人ものクライアントを持っていたユングはカブトムシの話をした事実自体が記憶にはまったく残らなかったのではないかと想像する。どうも、シンクロニシティは「記憶」ということと関係がありそうな気がする。もちろん、ご縁とか因果関係とかセレンディピティとか、めぐり合わせとか、そういうこととももちろん関係ありそうだ。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2012-12-07 21:38 | 草評


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