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2013年 02月 09日

(体罰を受けた経験が)マウンドで僕を助けてくれたことは一度もない (桑田真澄)

昨年10月28日の日本シリーズ第2戦、
東京ドームにおける巨人対日本ハムとの攻防を
日本ハムを贔屓目にテレビ観戦していたので
なおさらその「一発の効果」は感じつつ記憶に残っている。

前日の第1戦に勝った巨人が送り込んだ先発投手は日本シリーズ初登板の沢村拓一。
一回、先頭の陽岱鋼へ投げ込んだ初球は死球(デッドボール)。
そして2アウト後に中田にも死球。ランナーは一、二塁とピンチを広げて、打席には稲葉。
後から思えば、ここで阿部慎之助捕手が二塁へ牽制球を投げろとサインを出したこと自体が、
初登板で緊張している状態でコントロールが定まらず、さらに自らの死球二つでピンチとなって
動揺している沢村投手を落ち着かせようという意図があったと思う。
ただ、ここで沢村が、その二塁牽制のサインを見落とした。

ここで阿部はマウンドに駆け寄って沢村の頭をバッコーン。
キャッチャーミットをはめた左手ではなく、平手ながら右手で頭を叩いた。
それ以後、シーズン中以上と言えるような圧巻の投球を沢村はして
結果として沢村は8回を無失点。 巨人1-0日本ハム というスコアで
この投手戦に勝ち、巨人が2連勝してシリーズ全体の主導権を握って制覇した。

これは動揺からすぐに回復する効果があった「カンフル剤」であった。
年代は違うとはいえ、阿部も沢村も中央大学出身の先輩・後輩の関係だから
できた行為でもあったのかどうか、いろいろな見方ができるけれども
沢村も後で阿部に「ありがとうございました」と言ったということもあり
「こういうこともあった」
ということとして記憶しておきたいと思う。
効果があったとしてもこれはカンフル剤であって、
カンフル剤はその必要もないのに前提としたり、
ましてや常用したりすることは危険極まりないことだろうと思う。

さて、私のところでは毎日新聞と新潟日報をとっているのであるが、
併せて5年ほど前からは「毎日小学生新聞」も購読している。
最初は、この「毎日小学生新聞」の「わかりやすさ」というところに感心していたが、
最近は「子どもに問題を伝えることにおいて正確であろうとする」という
編集方針がかいま見えて非常に好感がもてる。
それは「間違ったことは決して書かないようにしたい」という意欲であると
そう言い換えてもいいと思う。
大人用の新聞にこのことがおざなりにされ希薄となっている傾向がかいま見えるため、
「毎日小学生新聞」は私の貴重なニュースソースとなっている。

毎週土曜日には「15歳のニュース」として、通常の「毎日小学生新聞」の記事から
一歩踏み込んだ4面の別紙のようなものが差し込まれてくるのであるが、
今日のその一面には「今週の一言」として元プロ野球選手の桑田真澄さんが
大阪市立桜宮高校の体罰問題を受けて大阪市内で教職員向けの講演会を行ったなかの
抜粋として

(体罰を受けた経験が)
マウンド上で僕を助けてくれたことは
一度もない


という言葉を紹介していた。
トップアスリートの世界に居た経験のある元選手のなかから体罰絶対反対を語る人は少なく、
元々桑田真澄投手は東京ドームのマウンドで初回にピンチを招いたとしても
動揺するようなタマではなかったからとはいえ貴重な存在であると思う。

新聞は、その同じ面に日本の柔道の歴史も併せて紹介し、
「嘉納治五郎」という人を紹介しつつ、
日本に古くから伝わる格闘術、柔術を理論的に体系化し
スポーツとしての「柔道」の創始者となったことも紹介していた。

嘉納治五郎といえば灘高校(ならびに灘中学)の創始者でもあるなぁと思った。
もしかしたら灘高校から東京大学に進学し、さらに野球部に入って
桑田真澄特別投手コーチに指導を受けるという人も生まれるかもしれない。

スポーツという、球技でも激しい接触プレーがあったり
格闘術をその原点としているものがあったりして
体質としてどうしようもなく染みこんでしまっているものまであるけれども、
体罰を受け続けて勉強させられて受験で目標達成!なんてことは想像しにくいし、
そういうことがあってもその後に大した成果があると思わないなぁ。

クラシック音楽の英才教育の世界の古臭い体質
(近世のヨーロッパなんかかなりの体罰主義だもんなぁ)
なんかにも実はかなり体罰主義というものは残っている気もするが、
弾いている音楽ではなくて弾かされている音楽なんて不快な文化であると思う。

東京ドームのマウンド上での阿部慎之助の捕手のカンフル剤は、
特に巨人ファンのなかでは絶賛もされているのであるが、
これが甲子園のマウンド上で高校生バッテリーの間での出来事であるとすれば、
これまた微妙な問題であるとは思う。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2013-02-09 12:42 | 草評


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