2013年 06月 20日

コッヘル214番 お好み焼き・三段

b0061413_628859.jpg このコッヘルシリーズを始める以前、もうすでに7年前となってしまうが お好み焼き・ド・ミルフィーユというものを作ったことがある。一枚一枚はむしろ薄焼きでありながらも5枚も重ねると重圧かつ「あり得ない分厚さ」となって、なかなか壮観ではあった。その後の7年間の歩みのなかで、見かけだけではなく作りやすさと味の良さなどのバランスを考えると「この手法では3枚がちょうどいい」という結論のようなものに達した。安易に出した結論ではなくて私なりに7年間の試行錯誤(もちろん、こればっかりやっていたわけではないものの)の末のことであるからそれなりの重みがこのお好み焼きにはある。まず「そんなに大きく口を開けなくてもいい」適切な厚さが薄焼きの三枚重ねであった。ちなみに写真では青のりと踊る鰹節に覆われて見えないわけであるが、マヨネーズに関してはずっと広島のオタフクソースが作っている「お好みマヨネーズ」を使用している。卵黄のコクがありほんのりとマスタードの香りが漂うその風味が気に入っているとともに、かなりの細口キャップで「おえかきできる」というキャッチフレーズのように非常に線が細く正確に出てくれるのがいいからだ。もはやペン感覚である。それに合わせてお好み焼きソースの方もオタフクをずっと使ってきたのだが、最近やめられなくなってしまっているのが兵庫県西宮市の「イカリソース」の「おこのみ家」と「たこやき家」の二種類のソースである。まず味が良く食品添加物、化学調味料、増粘剤、甘味料を使用していない。さらに、これらには「業界初、三穴キャップ採用」と明記されており、かなり細いソースの線が三本出てくる。息子がお好み焼きの上に綺麗に描かれる三本の線を見て「おお!アディダス!」(三本線をシンボルマークとしているスポーツメーカー)と驚く。そしてその三本線は格子模様へと展開し、さらにオタフクソースのマヨネーズとのコンビネーションで抽象画が描かれる。最後に、要らないウンチク話かもしれないが「イカリソース」の名前の由来が感動的なので是非とも紹介しておきたい。社名であるイカリとシンボルマークとなっている「イカリマーク」は、創業者である木村幸次郎が乗っていた船が中国で船火事を起こした際に、自身の救命袋を妻子ある友人に譲って自分は避難するために丸腰で海中へ飛び込んだ。その時、救命ランチの錨綱に捉まって九死に一生を得たということがあったらしい。木村幸次郎は錨(いかり)に命を救われたと、その感謝の気持ち持ち続け、自ら興した会社のソースの商品名を「錨印ソース」とし、商品に錨をかたどったシンボルマーク「イカリマーク」をつけたということである。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2013-06-20 06:56 | 草外道


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