2013年 07月 27日

大阪梅田 かっぱ横丁 丸一屋

b0061413_2254726.jpg 先週、関西に飛行機往復で出張した際にクレジットカードが三枚入った財布を忘れて出かけてしまった。新潟空港のANAのチェックインカウンターで航空券を支払ったクレジットカードの提示を求められて、それで家に忘れてきてしまっていたことに気がついたのであった。最初は「たいへんな忘れ物をしてきてしまった!」と思ったのであるが、すでに払込をしていることはANAのパソコンで確認をしてくれ、復路のためにその証明の書類も出してくれて、最初に「しまった!」と思ったほどの不便さや不安感は実際にはなかったのであった。なぜならば、クレジットカードで支払う予定であった宿泊したホテルの料金を現金で払わねばならなかったのは確かに予定外ではあったのだが、その他飲食などに関して私は「もともとクレジットカードが使えないタイプのお店が好みなのだなぁ」という自分発見をしたのであった。持ちあわせていた現金は多いわけではなかったが、それがまたバイト料や仕送りが入る直前の学生時代などを思い出したりして、クレジットカードを持たずに出張した失態をけっこうポジティブに転化することができたのである。それで以前から気になっていた大阪の梅田駅の近くの「丸一屋」さんに入った。以前からここから発せられる異様なほどのおっさんたちの活気が気になっていたのである。午後4痔の開店のちょっと前、支度中の光景である。まずもってクレジットカードなど使えないことが分かる雰囲気と店の前のボードのメニュー表と値段の数字が手持ちの現金と照らしあわせても実に安心させてくれた。新潟からやって来たものとしては「どのような内容かはわからないが刺身などのお造り部門だけ安いとは言えない」と思うだけで、あとは実に安心できた。

b0061413_2263453.jpg 。ホンモノの「ディープ大阪」を知る人にとっては、ここはディープ大阪のほんの入口にしか過ぎないとは思うが、私は存分にそれを味わったのであった。一人であるからカウンター席に座る。私は真夏のおでん(ここでのメニュー上は「関東炊き」となっていた)を単品で何種類か注文したのであるが、秋冬のコンビニのレジ前に置いてあるおでんとほとんど変わらない値段であるのに、牛すじやゴボテンや大根の美味さに驚きつつ、さらにおツユの美味しさに舌鼓を打ったのであった。店内、テレビでNHKの大相撲名古屋場所の中継が無造作に放映されていて「昭和かよ!」と言いたくなるが、妙に心地いいぞ!夕方4時という早い時間の開店のしばらく後から、けっこうお客さんたちが入ってくる。たまたまだったのかもしれないが、この時、店内は見事におっさんばかり。女性客、カップルはもちろん若い男もおらずにおっさん率100%。「このメニュー、ブログに掲載したいので写真を撮らせてください」なんてことを言える雰囲気もゼロ。でも、わはは、妙に心地いいぞぉ!カウンターの左隣の白髪のおっさんは常連風でジャージにサンダルに野球帽(なぜか野球チームのものではなくて使い込んだラコステだった)で大阪デイリースポーツを読みながら「しかし鳥谷はいい選手になったなぁ」と店員さんに向かって言っている。一応の阪神タイガースウォッチャーの私からすれば、新人の年はともかく2年目以降から鳥谷敬はすでにいい選手であったように思っているのであるが、そんなことは口にしてはいけいない。そのひと言に左隣りのおっさんが親心をもちつつ鳥谷をウォッチし続けてきたプロセスが集約されているのだ。そしてカウンターの右隣のおっさんの二人組はちょっと高そうなネクタイに仕立てのいい感じのスーツを着ていて「この件に関してはK弁護士によく相談せなあかんで」という言葉が聞こえてきて、その件がどういう件なのか見当もつかないが、とにかく会社の重役風であって少なくとも管理職の二人組という感じであった。もしも等級がない客船があったとしたら、そのメインダイニングのあるべき姿はこんな感じなのかもしれないと思った。真上を阪急電車であると思うのだが、電車が走っていく音が頻繁に聞こえるこの場所は一種のガード下である。クレジットカードが役に立たない場所いうものは案外とパラダイスかもしれない。


マーヒー加藤
[PR]

by kaneniwa | 2013-07-27 00:02 | 草評


<< コッヘル216番 手羽先の炭火焼      草煩悩(10) Art & L... >>