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2013年 08月 27日

第26回全日本高校・大学ダンスフェスティバルのテレビ放映を観て

『第26回全日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)』というものが
放映されていて、私は間違って録画をしていた。
間違って録画をしていて、そのタイトルを見てさらに勘違いを重ねて
スポーティでビートが効いたものを想像しつつ、サッと見てサッと消そうと、
そう考えていた。

ところが、それはいわゆる創作ダンスというものの学生全国大会であって、
実に魅入ってしまったのであった。
特に神戸市長賞(新境地を切り開く独創的な発想の探求に対して)
を授賞した新潟県立新潟南高等学校 の
「草間彌生 ー囚われし抑圧からの解放ー」
という題名の創作ダンス、
そして特別賞(主題にふさわしい演出効果)
を授賞した新潟明訓高等学校ダンス部 の
「運命にあらがう蛹(さなぎ)ーおさまらぬ身体ー」
という題名の創作ダンスに唸ってしまった。

入賞団体のなかで新潟県内の公立と私立の二つの高等学校の名前をあげたが、
それは新潟県内の高校がこの分野で努力をして活躍しているということを
恥ずかしながら初めて知った驚きでもあった。

新潟県立新潟南高等学校 
「草間彌生 ー囚われし抑圧からの解放ー」

高校野球が監督や部長やコーチまでは高校生ではないのと一緒で、
この創作ダンスを作り上げて練り上げたのは指導者であると思う。
それにしても、たぶん「抑圧」を表現しているであろう黒のコスチュームの
男子部員の驚くべき身体能力と舞踊としての完成度が素晴らしいかった。
最終的に赤地に白の水玉模様の大風呂敷が出てきて、
それを中心に舞台のなかのすべてが回転し、
草間彌生自身をたぶん表現している主人公らしき女子部員の
「解放」を表現する舞踊は圧巻であった。
草間彌生という芸術家の固有名詞を堂々と創作ダンスのタイトルにしていることもあって、
その感想を文字にすることは至難の業であるが、
率直な受け止めを述べるならば
「草間彌生の頭のなかって、たぶんこうなっている」
と想った。

新潟明訓高等学校ダンス部の
「運命にあらがう蛹(さなぎ)ーおさまらぬ身体ー」
の方であるが、
高校生の芸術表現に対して商業的な記述は自分でも不謹慎には思うが、
この創作ダンスは、何か新しいものに挑戦し、何か新分野を開拓しようとしている
アーティストのコンサートのオープニングアクトに登場したなら、
万雷の声援が飛び交うような内容があったのではないかと感じた。
そのダイナミズムは高校生が演じたことにより、いっそう輝くのであるが
脱皮をしていくという本能に対する若き苦悩のようなものが感じられた。
素直に感動した。
ただ、すぐに商業的なことを思うあたりは素直だとは言えない。

来週50歳になる私の頭のなかに、いろいろな音楽が鳴っているが、
いつも循環する定形のコード進行やクラシックのきれいな音楽が鳴っているわけではない。
気を許せば好きではないはずのフリージャズのような音楽がけっこう鳴っている。
前衛的現代音楽のようなものがけっこう鳴っている。
それを視覚に喩えるなら、
この間違えて録画をした
第26回全日本高校・大学ダンスフェスティバルのテレビ放映の各高校や大学の
パフォーマンスは「前衛」というべきものが多いのであったが、
その「前衛」にかつて夢のなかで見たかのような光景にチューニングが合って
グッとつかまれてしまったようにも思う。
そしてその残像が夢にまで出てきそうな予感がものすごくするのであった。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2013-08-27 23:55 | 草評


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