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2013年 11月 05日

日本シリーズ家族観戦記(5) 番外編

日本シリーズが終わって二日目に入ると、
マスコミも含めて野球が語られる機会が激減していくわけであるけれど、
なんせシビれるシーンも多く、後々まで語られる日本シリーズであったので
一種の忘備録として私の感想の断片を記しておきたい。

今年の日本シリーズでいちばん感じ入ったシーンは
東北(山形県南陽市)の宿で観戦した第6戦、
結果的に160球を投じた田中将大投手が9回表の2アウトまで来たところで、
三塁手のマギー選手がマウンドに駆け寄って、田中将大投手と何かを話していたシーンだ。
わかりにくいけれども、自宅の方でも録画を入れていて、まだ見なおしていないのだが、
何を話していたのかが、とても気になった。
三塁手がマウンドに駆け寄って何かを告げるシーンというのが、実はとても好きだ。
アメリカ人のマギー選手にとっては先発投手がほぼ2試合分を投げるという
クレージーな場面に直面している。
「気合を入れてしっかり最後のバッターを討ち取らんかい!」
みたいなことは絶対に言わなかったと思う。
その場面、思わず田中の肩や体を心配して駆け寄ったような気がする。
私の想像では
「お前は球界の宝物だ、メジャーでも通用する、だから無理をしないでくれ、たのむ」
というようなことをゆっくりとした英語で語りかけた気がしている。
ただ、何を話したのかはわからない。
結果として、田中将大投手は、最後のバッターの最後の球に、
152キロの光るストレートを投げ込んだということだ。

日本シリーズで、三塁手がマウンドに駆け寄ったシーンで印象に残るのは、
私が高校生時代の古い話になってしまうけれども
「江夏豊の21球」
のなかで、延長戦に備えているということはあったとしても
ブルペンでリリーフ投手が準備をしているところが目に入り
(その後の古葉監督との確執の原因となる)
「俺にすべてを託すのではないのか!」
と、激怒している時に衣笠祥雄三塁手がマウンドに駆け寄り
「お前の気持ちはよくわかる、ここはバッターに集中してくれ」
と言ったくだりである。
(後で山際淳司の素晴らしいノンフェクション『江夏の21球』を読んで知るのだが…)
江夏の21球に対して田中の160球ということになるが、
このマギー選手の声かけというものが今シリーズでいちばん印象に残った。
と、感じていたら、この日の地上波のテレビ中継の解説者は衣笠祥雄さんだった。

第7戦、牧田選手が貴重な追加点となる3点目のソロホームランを放った。
星野仙一監督は日本シリーズを制覇して、その3時間後のテレビ生出演で
江川卓の「1点差でも田中将大投手を9回に起用しましたか?」という質問に
「3点差あったから田中を出せた。1点差なら則本の続投だった」
と間髪入れずに答えている。
ある意味、田中将大投手を登場させた貴重なホームランであったが、
そのホームランを見て、仙台クリネックススタジアムのバックスクリーン横には
「七十七銀行」
の水色の看板があるということに気がついた。
全国で77番目に出来た銀行だから七十七銀行というらしい。
星野仙一という名前が
「星のもと野球で仙台を日本一にするために生まれてきた」
と読めるような符号に気がついたことはすでに書いていたが、
この東北地方を代表する銀行の名前と、星野監督の背番号77との符号の一致も
牧田選手のホームランの後で気がついた。

その背番号77は、七十七銀行に由来するものではなく、
幼少期に父親を亡くした星野監督が生前にずっと「オヤジさん」と呼び、
心からリスペクトしてきた川上哲治さんの監督時代の背番号に由来する。
第4戦はその川上さんの訃報をうけて巨人のユニフォームには喪章がつけられたのだが、
川上さんのことを考えながら試合を指揮していたのは星野監督の方だったように思う。
そのために星野監督本人が自ら「采配ミス」というような投手交代をして
5−6で大事な試合を落として2勝2敗となった。
しかし、結果からいえば、そこから今回の日本シリーズは緊迫した名シーンを何度も展開した。
日本シリーズが終わり、祝勝会があり、テレビ出演などがあり、
おそらく星野仙一監督はこれから川上哲治さんのところに駆けつけてお焼香をすると思う。

七十七銀行であるが、野球部もけっこう強くて東北・宮城代表として
大阪京セラドームで行われている第39回社会人野球日本選手権に出場してる。
ただ、昨日11月4日に行われた2回戦で三菱重工神戸に0−8で敗れている。

原辰徳監督の表情は
ハラ→ヒレ→ハレ→ホレ
と変わっていっていた。

三木谷浩史オーナーが、胴上げが終わり、選手同士の祝福があった後に
楽天の臙脂色のスタジアムジャンパーを着て星野監督と握手をした。
西武の堤オーナーは日本シリーズの決戦の場面に姿を現さずに
同じくチームのオーナーで自分はそっちの方が好きだといっても
アイスホッケーの試合の方に行っていることが多かった。
また、どんなに忙しいのかわからないが、
試合観戦もせずに祝勝会だけ駆けつけるという人もいた。
その点、三木谷オーナーは当たり前のこととはいえ
日本シリーズの試合の価値をよく知っていたと言える。
三木谷氏は神戸で阪神淡路大震災に遭い、体育館に運び込まれるたくさんの遺体を見て
「やりたいことをやらなければだめだ」
と発起して経営者の道を歩んだ。
楽天優勝セール、経営者としても集大成としてどんどんいい品を出して欲しい。

人ごとではあるが、
『半沢直樹』という一話ごとに視聴率が右肩上がりとなり、
最終第10話では40%以上の視聴率を出した大ヒットドラマの後、
逆に右肩下がりの『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』という
木村拓哉主演のテレビドラマは、
日本シリーズ第7戦という世紀の決戦の裏番組となってしまい、
たぶん、関係者にはとても寂しいことになったと思う。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2013-11-05 23:46 | 草評


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