2014年 02月 01日

コッヘル228番 ウニのきゅうり軍艦巻Yoshii風

b0061413_1413040.jpg 昨年秋のことであるが、まず東北楽天イーグルスがパ・リーグ優勝をした時に楽天優勝セール(ネット)で夢であったウニの箱買いをした。巨人との日本シリーズもどっちに転ぶかわからない展開になった時に「日本シリーズを制覇したら、またウニを箱買いする!」と宣言したところ、第7戦の最終回の最後の一球までもつれて楽天が優勝し、約束通りにウニを再度箱買いすることになったのである。パ・リーグ優勝時には、夢のコッヘルうに丼を実現させた次第であるが、日本シリーズ制覇時にはまた別な味わい方をしたいとずっと思っていた。それがこのウニのきゅうり軍艦巻Yoshii風である。Yoshiiというのは吉井さんという人がオーストラリアのシドニーでやっていらっしゃる高級和食レストランのことである。原典(この場合はコミックスやビッグコミックスピリッツ)が手元にないので、もしかしたらこれから紹介させていただくストーリーの正確さに欠けるかもしれないが、マンガの『美味しんぼ』のなかで海原雄山(モデルはおそらく北大路魯山人で、陶芸家・書家にして美食家)が尋ねた寿司屋で「ここは煮蛤のような伝統的な寿司ネタもメニューに掲げているが、ウニもあるのか…」と言った後で「ではそのウニをいただこう」と言う。「ええ!いきなりウニですかぁ!」と寿司店の店主とお店を紹介した京極さん(お金持ち)などの周囲は驚くのだが、とにかく、出てきた海苔の軍艦巻のウニを見た海原雄山は「ダメだな」と言って口をつけずに席を立つのであった。

b0061413_14131428.jpg 海原雄山の息子で新聞記者の山岡士郎に相談すると「そりゃウニの保存のための化学薬品の風味がいけなかったのだろう」 ということで、再度訪れた海原雄山の目の前で直送されてきたトゲトゲのウニをその場でさばいて軍艦巻を作るのだが再び「ダメだ」と言われて席を立ってしまう。以下、細かいストーリーは省略させていただくが、三回目のチャレンジで「これはシドニーの吉井さんから教わりました」(美味しんぼの原作者の雁屋哲はシドニー在住だもんなぁ)と言って出したきゅうりを使った軍艦巻を海原雄山は賞味したのであった。海原雄山の言い分としては、最初に握れない寿司ネタを軍艦巻として提供した店主(モデルはおそらく銀座の久兵衛)は偉大であるが、世の中の寿司屋全体がそれをモノマネとして、あるいは既成概念としてそこに思考を停止していることが気に入らなかったらしい。ともかくモノマネであろうと既成概念であろうと、海苔巻き軍艦のウニはブログペットとして東京美研の食品サンプルを常に持ち歩くほど私にとって大御馳走であるのだが「吉井さんのウニ軍艦」というものは一度はやってみたいと15年間ぐらいずっと思い続けてきたわけである。きゅうりを薄く包丁で剥こうと思ったが、大根よりも柔らかく水分がありなかなか上手くいかなかった。そこで、ピラーで中心部を薄く削ぎとって周囲はおつまみとした。Yoshii風を食べてみた。なるほど、シドニーに本店があるということだがこれは欧米人には海苔よりもウケることもあると思えた。北欧では乳酸菌を胃腸で消化する酵素が出ないという人はほぼ皆無らしい。ところが日本人には時々、乳酸菌はもちろんのこと牛乳や乳製品を消化する酵素が出ずに苦手としている人が一定比率でいる。逆に、欧米人には海苔をはじめとする海藻類を体が上手く受け付けない人がいる。そして全体的にも海苔などの海藻類は好まれない。カリフォルニアロールなどの巻き寿司が海苔を表面に見せないようにして酢飯と海苔を逆に巻くのはその証左のひとつである。最初は私も「まあこれもアリだな」という感触だった。もちろんYoshii流が不味いわけがなく、むしろ大変な美味であるのだが、どこかで「やっぱり日本人には海苔巻の軍艦がしっくり来るでしょう」という気持ちがあった。ただ、この写真を撮った直後、途中からワサビを薬味としてのっけて食べていくと「こ、これは!」と驚いた。ワサビときゅうりは最高に相性がいいコンビである。そのコンビが酢飯と合わさって名トリオとなり、さらにウニと渾然一体となって名カルテットとして押し寄せてきたのである。「海原はん、あんたの言うことは正しかったでぇ、ええもん食わせていただきましたでぇ!」と京極さんの口調にて叫びたくなってしまったのであった。


マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2014-02-01 15:00 | 草外道


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