2014年 02月 08日

五味康祐の文庫本の記述にビックリしたなぁ(3)

続編を書くことはないと思ったら、数日前からえらいタイミングでクラシック音楽に関する
ニュースが流れてきた。間もなくソチ五輪の開会式がはじまるよ~というタイミングでもある。

実は昨年のNHK交響楽団の第1755回定期講演会のあたりから
クラシック番組の放映があると録画して、ある程度たまったらブルーレイディスクに
ダビングをするということをしている。

五味康祐氏はコンパクトディスク(CD)が登場してくる直前ぐらいの時期に亡くなられている。
五味氏がオープンリールで苦労しつつエアチェックを中心としたオーディオライフを送られて
いたし、執筆当時は始まったばかりだったテレビの音声多重(ステレオ)放送には
大きな関心を示しつつ「意外なほどにテレビからの音はいい!」と言っている。
五味氏が剣豪小説などで得た印税収入をつぎ込んできたオーディオ機材の
もしかしたら100分の1ぐらいの値段のテレビと録画機を持っている。
デジタルで5倍に薄めて録画したものは、画像は「よく見れば」劣化しているが、
音声の方は薄めていないものと5倍との区別が、私にはほとんどつかない。
50ギガバイトのブルーレイディスクに、その5倍に薄めた録画内容をダビングすれば、
60分の交響曲であれば20曲分も収録できるなんていうことを五味康祐氏が知ったら…
なんていうことをちょっと考えた。
芸術についてコストパフォーマンス的なことばかり言うのは恐縮だが、
50ギガバイトのブルーレイディスク(BDR)も一枚あたり250円以下で売っている時代なので、
つまり1時間の交響曲あたりでも一曲あたり10円ちょっとである。
昔のジュークボックスでポップス1曲を再生するよりもはるかに安く、
しかも映像までついてくる。
クラシックでは「おや、こりゃ何の音だぁ?」ということが私には何度もあり、
「ブリテンの青少年のための管弦楽入門」とか「ピーターと狼」などを聴きこんでいれば
何の楽器の音がわからないなんてことはないのかもしれないけれど、
NHKのクラシック番組ならその時に音が出ている楽器を
カメラは「ヌキ」で狙ってくれるので
「ああ、オーボエだったか」
とか
「ピッコロだったか」
などとわかるのも嬉しい。

昨年末の12月1日と12月8日の放映では、ブラームスを大プッシュしていて
交響曲第2番と3番、バイオリン協奏曲。
そして同じく交響曲第4番の演奏の模様が伝えられた。
ブラームスファンは大喜びだったのではないだろうか。

まだN響のブルーレイディスクは3枚であるが(なんせ5倍録画ならたくさん入る)
このエアチェックが20枚ぐらいになれば、
けっこういっぱしのクラシック音楽のコレクションになるのではないだろうか。
客演指揮者は超一流ばかりであるし、N響の演奏そのものも素晴らしいのではないだろうか。
ヒゲの公務員は外務省をはじめたくさんいらっしゃるが、
N響には堂々たるロン毛の公務員がいるなぁ。
ま、それはどうでもいい。
つまりは、この五味康祐氏がツートラ・サンパチ・トーインチなんて呼ばれていた
オープンリールデッキでやっていたエアチェックという作業を
35年後の世界で手軽にブルーレイディスクというものでやっているだけの話だが、
これで「クラシック熱」というべきものが再燃してきたような気はしている。
そして、今の私はそれをそんなに頻繁ではなくても録画とダビングと鑑賞を楽しんでいる。

さて、ここで唐突なようだが
被曝二世であり聴覚を失った天才作曲家と謳われた佐村河内守氏のほぼ全作品が、
実際には桐朋学園大学の講師を勤める現代音楽作曲家・新垣隆氏の手になるものだった
というニュースが、その新垣隆氏の独白と記者会見がクラシック界に衝撃を投げかけた。

今、ブログを書いているなかでちょうどソチ五輪の開会式の選手入場の場面だ。
フィギアスケートでバンクーバーオリンピックの銅メダリスト高橋大輔選手が
ショートプログラムで佐村河内守氏作曲と言われてきた『ヴァイオリンのためのソナチネ』
を使うというのに、
どうしても4年間の集大成を短い時間のなかに表現し尽くそうとしている選手と、
そのジャッジのなかに音楽との調和も大きく考慮される「芸術点」というものもあるのに…
という心情から
「何でこのタイミングなんだ!」
「オリンピックが終わってから告白しろ!」
という気持ちになったのだが、
よくよく考えてみるならば、
その告白が掲載されている『週刊文春』の発売日が一昨日であるということを含め、
オリンピックの開会式に合わせたまさにこのタイミングであるからこその独白だったのだろう。
佐村河内守作曲としてその曲で高橋大輔選手が演技をするということがなければ、
もしかしたらこの独白はなかったかもしれない、とは思った。
どちらにしろ、それが演技に影響を与えてしまうとすれば迷惑な話である。

そして、第一作目より、あるいはそれ以前からのゲームミュージック時代から
「佐村河内守&新垣隆」と作曲欄にクレジットされていたならば、
実はほとんど問題にはならなかったことではないかとも思う。

レベルもジャンルも違う話かもしれないけれども
「Yesterday」はポール・マッカートニーが一人で作り、
録音もビートルズの他の3人のメンバーが帰ってから一人でギターを弾きながらの収録。
他にもポールが一人で作った曲、ジョン・レノンが一人で作った曲というものは
多いと思う。
さらに「GOOD NIGHT」という曲。
おおまかなコード進行をジョン・レノンが考えて
「ハリウッド映画風に仕上げてね」とプロデューサーのジョージ・マーティンに言って
そのジョージ・マーティンがスコアを書き上げたと言われているけれども、
これもまた他のビートルズナンバーのなかで
ジョン・レノン、もしくはポール・マッカトニーが関わって作った曲と同じく
「レノン・マッカートニー作品」と呼ばれ、そうクレジットされている。

後にポール・マッカートニーはスティービー・ワンダーやマイケル・ジャクソンなどと
共作して名曲を仕上げたことから
「コラボでも天才」
と言われたが、当たり前だなぁ。
なんせかつてはジョン・レノンとコラボしていたのだから。

一時期、そのマイケル・ジャクソンが
ビートルズの楽曲のコピーライト(著作権・版権)を持っているというのが
どうにも納得できなかったのだが、
世に「ジョン・レノン&ポール・マッカートニー作品」と表示されていれば、
そういう形でずっと残っていく。

たまに買う『週刊文春』を今週は買って新垣隆さんの独白も読んでみた。
ソチ五輪の開幕に発売日と会見を合わせてくる雑誌の売り込み方はエグいけれども、
自身も昔から伴奏を務めてきた義手の少女のために作った
『ヴァイオリンのためのソナチネ』が、
高橋大輔選手がそれに合わせて舞うことで世界的な注目を浴びることで
「私はこのままでは本当にゴーストになってしまう」
と、作ったことをチクったのだと思っている。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2014-02-08 02:17 | 草評


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