2014年 06月 14日

岡本太郎作品としてバッファローズのロゴを鑑賞

b0061413_349977.jpg ブラジルでFIFAワールドカップが開幕した。開催国ブラジルとクロアチアの素晴らしい開幕ゲームもテレビ観戦したが、今回のブログ記事はサッカーではなくて野球と岡本太郎についてである。写真の近鉄バッファローズの帽子を1989年頃のブラジルで生活している間の普段着の時にはいつもかぶっていた。ブラジルからアメリカ合衆国に移り住んだ時にこの帽子を失くしてしまっていたので、私はたぶん、今でもブラジル国内のどこかにあると思っている。さて、このキャップの中央に刺繍された牛のロゴのデザイナーは岡本太郎である。シンプルすぎるぐらいのロゴであるけれども、見れば見るほどに「岡本太郎作品」という気がしてくる。なぜ岡本太郎がこのような仕事をしたか、という経緯については長嶋茂雄入団以前のジャイアンツの背番号3番の千葉茂という人が大きく関わっている。ジャイアンツの千葉茂選手は引退後に近鉄の監督となるのだが、それまで近鉄沿線の伊勢湾での真珠養殖にちなんで「近鉄パールス」と名のっていた球団名を千葉茂監督を迎えるにあたって、その現役時代のニックネームである「猛牛」にちなんで「近鉄バッファローズ」(最初は近鉄バッファロー)と改名する。世界中のプロ球団のなかでも個人のニックネームがその球団名となった例というのは極めて珍しいのではないだろうか。そして現在もオリックス・バッファローズとして猛牛は生きている。その千葉茂氏と実は野球が大好きであった岡本太郎には親交があったことから球団のシンボルマークのデザインの依頼があったそうだ。余談だが、この世にカツカレーというメニューを生み出したのもこの千葉茂氏で、1948年(昭和23年)に東京都中央区銀座の洋食店「グリルスイス」にて試合前に「トンカツとカレーをいっしょに出してくれ」と言って独自の食べ方をしていたものがカツカレーとして広まったそうだ。 ところで今、前書きを執筆している横尾忠則氏をはじめ、かつての熱烈な愛読者たちの要望で光文社から文庫本として再版された岡本太郎の『今日の芸術』という本を読んでいる。その文字にこもっているエネルギー総量がすごい。文章もまた岡本太郎の作品としてまったく古さを感じさせないどころか、どこかでそういうものを読みたがっていた自分に気がつく。古今東西の美術に対しての知識や分析が実に深いのであるが、そういう知性的なものよりもほとばしる感覚的なものと衝動的なものが常に優先されて前に出てきている文章である。思えば大阪万博の太陽の塔(これを見上げた頃からの岡本太郎ファン)の内外部の発想そのものがそうであったように、便利とか快適とかそういうもので内在する衝動的な感性をスポイルしてどうなるんだという提言(というよりは喝だろうか)にあふれている。岡本太郎氏はスキーの愛好家であり、これも親交があった三浦雄一郎がほめるほどであった。初めて滑った時に無謀な直滑降で転倒し「何だこれは!地球に殴られたぞ!」と言ってその世界にハマっていったようだ。FIFAワールドカップでも、さっそくにネイマールの同点シュートには「何だ!今のは何だ!」と驚いたが、体幹を鍛えぬいた長友の驚異的な駆け上がりなど「何だこれは!」と驚くようなプレーをたくさん見たいものだ。

マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2014-06-14 05:10 | 草評


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