2014年 08月 29日

道草仏教(2)

というわけで
続編である。
今回はなかなか適当な写真がなくて文章だけなのだけれども、
今週は久しぶりに新潟県の三条市に泊まりこみで飲み歩いた。
それも料亭→きれいなお姉さんたちがいるお店→JAZZ BARというなかなかいいバリエーション。
三条市は今から16年ほど前から12ほど前までの4年間住んでいた。
長女と長男はその期間の間に三条市で生まれたこともあって思い入れがある。

久しぶりに深夜まで飲み歩いて改めて思ったのは、
この三条市という街の中心に東本願寺三条別院という寺があるのだなぁという実感である。
それは前回のブログ記事での実感のとおり
「日本の街はジャスコが中心となっている」
という流れには今後逆らえないような運命にあるのかもしれない。
しかしながら、元禄時代に建立されたこの寺院から放射線状にのびる
今では自動車がやっと通れるぐらいの一方通行の道は市内の要所に通じている。

本寺小路という小路という名称ながら参道の役割をしている道がある。
明治時代の初期の頃の貴重な写真もいくつか残っているが、
昔はこの参道沿いにぎっしりと旅籠が立ち並んでいた。
公共交通機関も自動車もない時代には、
大勢の人たちが泊まりがけでお参りをしていたということがわかる。
やがてその旅籠群は各種の飲食店に転職するか、
もしくは雑居ビルのオーナーになる道を選んだ。
もともと金物をはじめとする職人の街である三条市は、
食器・調理器具で有名な隣の三条市とともに大中小のさまざまな会社があり、
忘年会シーズンの本寺小路で
「社長さーん!」
という声が聴こえると数十人の人が振り向くほどである。
ディズニーランドで
「パパ!」
という子どもの声に世のお父さんたちが振り返る人数に似ている。

とにかく、三条市は400件に1件が飲食店(スナック、BARを含む)であるという、
かなりの大都市にもない大歓楽街が形成されていたということがある。

それほど伝統がある歓楽街も「何だかジャスコが日本の中心になっていく」という
時代の流れには逆らえず、必ずしも潰れたわけではなく移転した例も少なくないけれど、
ともかくお店の数は徐々に減り続けている印象がある。
30年前の最盛期の活況にも少しは接していたので寂しいことではある。
特に2008年にその本寺小路の中心部で大火災があり、
その箇所にあったお店は再建されておらずに寂しかった。

ユーミンが松任谷由実ではなく荒井由実だった時代の曲に
「中央フリーウェイ」
がある。
東京都内から中央高速で八王子方面(ユーミンの実家は八王子だなぁ)に走ると、
在日米軍の調布基地(1974年に全面返還)、サントリー武蔵野ビール工場、府中の東京競馬場
など歌詞にある風景が次々とシンクロしていく。
その風景を見ながら楽曲を思い浮かべている人もいるし、
ユーミンが好きな人のなかには中央高速を走りながらカーオーディオで
その楽曲を流したという方々は少ないないと思う。

かつて三条市に住んでいた時代の最後半に、
本町2丁目の本寺小路の入り口である交差点から
東本願寺の門の前までを歩いてタイムを測ってみれば
早足で4分、ゆっくり歩いて6分という、ちょうどポップス1曲分だなぁと思った。
その間に、いちばん目に入るのはスナック等の看板である。
何語であるのか由来は何なのか、よくわからない店の名前もある。
脱力系のふざけた感じの名前の店もある。
しかし、全国寺院名簿も眺めれば、それが場に対しての願いがこめられた
『すばらしき仏語集』でもあるように、
脱力系の名前のスナックはそれなりに
「お客さんには心からリラックスして欲しい場である」
というメッセージも願いもこもっているはずだ。

そんでもって、そんな店の名前からのインスピレーションを中心にした歌詞で、
「本寺小路」
という曲を仕上げようか?とふと思ったことがあった。
別にご当地ソングとして一発当てようなどとは思わずに、
ただ「中央フリーウェイ方式」によって、
自動車でのカーオーディオではなくて徒歩中に携帯オーディオで聴く形をとって、
目に見えるものと耳に聞こえるものとがシンクロするオモシロさには
作成意義のようなものがあるように思えたのだ。

当時は長女はイタズラ盛りで長男も生まれたばかりで、
どうもギターを取り出すこと自体が何だか億劫であったけれども、
歌詞になる前のキーワードの羅列のメモぐらいはとった気がする。

久しぶりにその本寺小路を歩いてみれば、
歌詞のなかのキーワードとなるはずだった店の看板で見当たらなくなったものもあり
完成間近だったわけではないけれども
「こりゃゼロから作り直しだ」
と思ってしまった。

ただ、手前味噌ながらも
「道を題材にして、実際に歩く時間を基準に詩や楽曲を作る」
という発想自体は悪くないと今でも思った。

できれば、いつそんなことができるのかわからないけれども、
俳句の吟行(合同で散歩やハイキングをしながら自作の俳句をひねり出す会)の手法で
シンガーソングライターやなんちゃってシンガーソングライターたちを集めての
ワークショップなどをやってみたいなぁなどと密かに思った。
ブログに記すると全然密かではないけれども。

マーヒー加藤
 
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by kaneniwa | 2014-08-29 13:58 | 草評


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