2014年 09月 04日
9月に入って残暑日もまだあるだろうけれど少なくとももうとっくに真夏ではない。まだ夏休み中であるという人も学生でも大学生の一部と遅れて夏休みをとったような人しかいないだろう。もともと仏教用語として「自らに由る」を典拠とする「自由」という言葉はどちらかといえばネガティブに使われておりフリーダムの意味とはかなり違うのであるが、中学生や小学生の高学年にとって「自由研究」とか「自由課題」という時の「自由」は束縛から解き放たれた時の「フリーダム万歳!」というような謳歌する自由とは程遠く、どちらかと言えば「自由契約」とか「自由席」などの苦しい意味合いを含んだ「自由」である気がする。夏休みの前半には自分の自由研究を論文にして『Nature』に投稿するようなことを豪語していたような中学生も、夏休みの後半になれば「私は決められたことは律儀にこなせるが、自由研究という自由を行使するについては、いったい何をしたらいいのかわからない」という苦しみにさいなまれたりする。新フロイト学派のエーリヒ・ゼーリヒマン・フロムが著した『自由からの逃走』は、ナチズムについての心理学的論考ではあったが、夏休み後半の中学生などにとってはまさに本の題名どおりに自由研究の自由からの逃走をしたくなる心理を抱えてきたことであろう。しかしながら、この自由であるがゆえの悩みを共にする仲間が居たとしたら、その課題を共有する仲間がいたとしたら、「ああでもない、こうでもない」と討論しつつ試行錯誤をするものであったとすれば、急に何だか自由のオモシロさが出てくるような気がする。夏休みの自由研究は、グループ研究もアリとした方が何だか色んな成果がありそうだなぁ。理研の再生細胞への探求もユニットリーダーを中心にしたグループ研究であるわけだし。 今回は脱線しまくりであるけれども「自由読書による読書感想文」という種類の宿題が悩ましかった学生も多かったに違いない。学校の先生には怒られるかもしれないけれども、何だか感想文というものがない方が読書好きが増えるような気がするなぁ。その代わり、同じ本をたまたま読んだことがある人と勝手な感想を述べ合うことは、これはものすごく楽しいことなんだなぁ。 ※ 法語は福山雅治主演映画、東野圭吾原作の『真夏の方程式』より 法語の書写 シャラポア(妻・日本人) ブログ文 マーヒー加藤
by kaneniwa
| 2014-09-04 23:29
| 草仏教
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