2014年 10月 15日

コッヘル248番 鮎の開き(落ちアユ)

b0061413_2201429.jpg 鮎の季節といえば夏を連想する人が多いと思う。特に、鮎漁が解禁されて間もなくの初夏の時期の塩焼き。そして酒は文句なしにビールが合う。うるか(鮎の内臓の塩漬け)には日本酒が合うとしても、相当に伝統的な日本料亭であったとしても夏の鮎の塩焼きにはビールを勧められるのではないだろうか。そしてまだビールを飲めない未成年者たちも含めて、うちの家族は全員が鮎の塩焼きの大ファンである。かつて広島カープで活躍しWBC日本代表監督をつとめた山本浩二氏が大好きな焼き魚で「打順」を組んでみたことがある。やはり4番にはカリスマ性のようなものが必要と考えたのかノドグロをもってきた。(テニスの錦織圭選手の大好物ということで有名になりつつある)この「打順」には焼き魚というカテゴリーとしては変則的な「8番タラコ」などが入っているのにも関わらずに川魚は入っていないのだが、私がオーダーを組むとなると鮎は焼き魚の4番候補である。そういうことを知ってか知らずかご門徒から「鮎の開き」をいただいた。秋の鮎、いわゆる落ちアユである。 流線型の天然鮎は開きにされて3次元世界のものではあるがシメントリーで2次元的なものに形を変えている。正直に言って、最初は落ちアユであっても丸焼きに出来る形のまま欲しかったということもちょっと思った。しかし、いただいてみて豊富な秋の味覚のなかでもまだまだ美味なるものが世の中にはたくさん隠れているということをしみじみ知った。もともと秋の鮎は身が引き締まりつつ塩で強調される甘みを含んだ夏の鮎の肉質こそないものの、成熟したしみじみした旨みがあってどちらがいいかは好み次第である。その、もともとの成熟に加えて、秋の柔らかい太陽に照らされての乾燥しながらの熟成までが加わっている。秋の太陽の味がする。もっと言えば鮎の短い一生が凝縮されて完結したかのような味わいがある。 真夏の鮎の塩焼きには文句なくビールがいいが、秋の落ちアユの開きというものには文句なく日本酒のぬる燗がいい。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2014-10-15 06:17 | 草外道


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