2015年 02月 25日

石川一雄さんに会ってきました

4年ほど前に厚生労働省の元局長・村木厚子さんが郵便割引制度を
めぐる偽の証明書発行事件において、大阪地検特捜部が証拠品として
押収したフロッピーディスク内の文書の更新日時が改ざんされていたことが
決定的な証拠となって彼女の冤罪(えんざい)が証明されたことがありました。
一太郎というワープロソフトによって作成されフロッピーディスクという
媒体に保存された文書の日時が改ざんされていたことを見抜いた有能な弁護士が
もしもいなかったら彼女は冤罪を被っていたし、
私は有罪判決にしたがってその関連の報道も鵜呑みにしていたでしょう。

地方検察局の検事が自分(たち)が作ったストーリーのために
「いまだにここまでやるのか?」
と、悪い意味でとても驚きました。

埼玉県の狭山市で、昨日と今日、石川一雄さんに会ってきました。
石川さんは1963年の女子高生誘拐殺人事件(狭山事件)の容疑者として別件逮捕、
起訴されて冤罪を訴え続けるものの1977年の最高裁で無期懲役が確定して
1995年に仮出所後も再審(裁判のやり直し)を請求し続けていらっしゃいます。

私が生まれた1963年に起きたこの事件を22歳を過ぎて初めて知ってから
ずっと石川さんは無罪であろうと思ってきましたが、
このたび作り上げられたストーリーのままに誘導され、あるいは強要されて調書をとられた
自白の内容との矛盾点を感じずにはいられない現地検証もさせてもらいつつ、
その誘導するストーリーの荒唐無稽さを実感して
「無罪であろう」という気持ちは「絶対に無罪である」という確信に変わりました。

また獄中にあって努力されて文字を習得され
「支援してくださる方々の手紙を読むことができ、
 差し入れされた本を読むことができるようになってから、
 全世界が私の師匠になった」
という言葉を石川さんは表白してくださいました。

『たそがれ清兵衛』という映画の最初のシーンで、
「学問をすれば何の役に立つのか?」を娘から問われた清兵衛は
「学問しれば(すれば)、自分の頭でものを考えることができるようになる」
と答えます。
私もまた、試験などの試される場のためではなくデータとして蓄えるのためでもなく、
自分の頭で考えることができるようにするための勉学をし直していかねばなりません。

石川さんの長年の再審請求の活動にとって今年は大きな光が見えます。
これは先月の1月24日にNHKのニュースでも報道されたことですので
ここに書いても差し障りがないと思いますが、
石川さんの弁護団に対して検察がこれまで存在を明らかにしていなかったものも含む
物的な証拠をすべて記した279点のリストを開示するという
異例の対応をとりました。
「そこまで50年以上もかかってしまったのか」
という思いはあるものの、そのリストから重要なものが精査されることによって
裁判所は再審の請求に応えざるを得なくなり、再審が行われれば
石川さんの無罪が確実に証明されることになるのではないかと思われます。
当時の警察、検察の作り上げたストーリーは破綻してそのストーリーを鵜呑みにしてて
間違った判断をした裁判官にとっては大きな汚点が露わになることでもありますが、
これは私たちが今後、司法や警察というものを信頼して生きていく上で必要なことです。

このブログに掲載しても、大きな効果というものがすぐにあるわけではないかもしれません。
しかしながら、再審が認められるか認められないかというギリギリのところになった時に、
背中を後押しするわずかな微風のようなものでさえ、もしかしたら力になれるかもしれない
という思いで、「大いに広めていただきたい」というお言葉も石川さんからいただいた
こともあってこのホームページとリンクしておきたいと思います。

冤罪 狭山事件

ブログ文  加藤 真人
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by kaneniwa | 2015-02-25 23:56 | 草評


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