2015年 04月 10日

ついにシャラポア(妻・日本人)もわかった「真空管アンプ」の魅力

御礼も込めたブログ記事であるが、
長年愛用してきた(使用回数は少ないが、十余年の長年である)
ドイツ製のアコーステックギター用のアンプのBINGOが
「調子が良い時しか音が出なくなってしまった」
という状態になってしまったことを半ば愚痴っぽく
先月にこのブログに書き込んだところ、
電気工学を学んでその道のプロであり、しかもエレキギターが趣味だという
遠方に住む友人が読んでいてくれて
帰省中に私の自宅に寄ってくれて
「もしかしたら直せるかも」
と、預かってくれた。
ドイツやイギリスから部品を取り寄せるということで、かなり時間がかかると思いきや、
先日、「精密機械につき取り扱い注意」のラベルが貼られた段ボール箱が届き、
そこに愛用してきたBINGOが入っていた。

タカミネのエレガットとつなぐと、その音色に惚れて
購入した時のサウンドが蘇っていて感激した。
なんせ、つないで弾いているタカミネのギターよりもこのアンプの方が高価だったので、
相当に思い切った一目惚れ、一聴惚れでの購入だったのだ。
かなり特別な部品が使われていたというMIC端子にSHUREのSM58という
スタンダードなマイクロフォンをつなぐと、これまた音が蘇っていた。
SHUREのSM58を買ったのは1年前ぐらいであり、
BINGOからちゃんとした音が出たのはこれが初めてであった。

しかも、彼はついでに、こちらも音が出なくなっていた
Yoshiiのタイムドメイン・ミニというパソコン用スピーカー
(Bluetoothスピーカーが主流だけど私はこれがベストなパソコン用のスピーカーだと思うなぁ)
も、預かってくれて
「こっちの方は楽勝だった」
と完璧に修理をしてくれてBINGOと同梱して送ってくれた。
Yoshiiのスピーカーについてはまた機会を改めて書いていきたいけれども、
とにかく、もしかしたら夏以降になるかもしれないと覚悟していたアンプが、
ゴールデンウィーク中にやる予定の
「採れたてタケノコのディナー・パーティー」
には間に合うことになった。
BINGOを通したエレガットの音色を活かした
「ウーゴ・ノ・タケ・ノコ」
というオリジナルボサノバを鋭意製作中である。

さて、そういうことがあるなかで
私はBINGOを真空管アンプであると思い込んでいた
ということも書いた。
それはそれで見事なことだが、ドイツ製などのデジタル部品を駆使してアナログ的な
温かみのある音色を演出していたのだということが、解体してもらってわかった。

そんなことがあったこの1ヶ月中に、テレビ朝日系列の「タモリ倶楽部」で、
「真空管アンプ特集」があった。
オーディオマニアは真空管のことを管(たま)と呼ぶのであり、
真空管を取り替えつつその音色の違いを楽しむことを「たまころがし」という。
ミュージシャンのなかでもかなりのオーディオマニアとしても知られるコブクロの二人と
「コブクロとたまころがしを楽しむ」
という企画の放送回であった。

用意されたKT88(真空管の部品名です)が3種類で
(1)チェコのJJエレ製
(2)中国のゴールデン・ドラゴン製
(3)ロシアのスヴェトラーナ製
という3つで、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」を試聴。

300B(これも違う型の真空管の部品名)も3種類で
(4)チェコのKRオーディオ製
(5)日本の高槻・ウエスギのWネーム(ウエスギはマニアックな真空管アンプ工房)
(6)米国のウエスタンエレクトリックの88年もの(最後の米国製真空管)
という3つでカーペンターズの「シング」を試聴するという企画。

テレビのスピーカーからの音声で、そんな高級オーディオの部品の違いのような
繊細な違いが分かるのか?と言われそうだが、私は実によく感じられた。
芥川賞作家で熱狂的なオーディオマニアであった五味康祐氏も
補聴器(確かに高級なものであるらしかったけれど)を使っていたにも関わらずに
真空管の部品交換による音色の違いを楽しんでいたのだ。
テレビ朝日の音声スタッフも頑張っているだろうし、
テレビのスピーカーというものは大概は薄型のミニモニタースピーカーとして優秀だ。
NHKのクラシック音楽番組の放映にも見合うクオリティを持たなければならない。
ただし、私見としてはスペースを稼ぐためにスピーカーが底辺部分に付いているものは感心しない。

私としては、その違いを自分のなかの感覚としてもっていただけだったが、
その感覚を見事に言葉にしてくれたのが、隣でいっしょに見ていた
シャラポア(妻・日本人)であった。
オーディオについては素人である。
素人であるがゆえに、受けていたおなじ感覚を自分の言葉にしてくれたのかもしれない。

「モーニン」においては
「すごい、管楽器奏者の指使いが見えるようだし、演奏者の呼吸を感じる!」
「シング」においては
「すごい、カレン・カーペンターの息遣いを感じる!」
という言葉を発した。
「そうそうそうそう!そうなんです!」
と私は同意した。

実に真空管というものは「呼吸する部品」であると、
そう定義できるのではないだろうか?

同時に、ショパンの至言を思い出す。
「声楽家はお腹で呼吸をし、ピアニストは手首で呼吸をする」
ショパンが音楽家のリストではなくて手首のリストについて語った名言だが、
音楽というものの魅力そのものが呼吸、あるいは呼吸感なのではないだろうか?

その呼吸する部品である真空管の魅力を、このタモリ倶楽部をきっかけに
妻も感じてくれた。
新婚時代に勤め人としての最後のボーナスでオーディオ用の真空管アンプを
買おうと思っていたところ
「なんで音の増幅機が大型テレビよりも高いの?要るの?」
という反応であったが、
10年以上経って、ようやくその時の私の気持ちを理解してくれたようだ。
タモリ倶楽部のこの企画が10年前にあって、私も
「ミュージシャンの息遣いが聞こえてくるんだぜ!」
とぐらい言えればよかった。

しかし、三人の子どもがこれから金がかかるような環境になってきて、
10年後には管球式のオーディオアンプがあればいい、という感じかな?

最後に下の写真だが、オーディオ用は断念しつつ
メインのパソコンのOSにWindowsXPを使っていた時代に
台湾のエーオープンというマザーボードメーカーが
サウンドカードの主要部品に真空管を使っていたものを出していた時期があったので、
自作パソコンの中核に組み込んだものである。

これに、今回、友人が修理してくれたタイムドメイン・ミニをつないで音を出していた。
パソコンとしてはとびきり音がいいものを常用していて、
実は妻も気がつかないうちに真空管の良さにはずっと接していたのであった。


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マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2015-04-10 12:48 | 草評


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