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2015年 04月 18日

昨年秋からこの春までの薪小屋(ウッドストック)

b0061413_22484961.jpg えーと、確か畳2枚分(京間、中京間、江戸間で畳のサイズはやや異なるが気にしない)がひと坪だと思ったので10坪ぐらいのスペースだろうか、いちおうプレハブの薪小屋がある。ちょっとスカして「ウッドストック」と私は呼んでいる。この薪小屋の薪が減っていく様子を今シーズンは記録してみようかと、ふと思った。いちおうの意図としては東芝EMIの初期ビートルズのベスト盤(赤ジャケット)と後期ビートルズのベスト盤(青ジャケット)が同じアップルレコード社内の階段で同じ角度で撮影されている、あの世界観を狙ったのだが、撮影間隔がちょうどよくなかったし角度もいい加減になってしまった。寒い時期に重い薪をLLビーンのトートバックに詰めてストーブの隣の茶箱に運ぶこと自体が両手がふさがってしまうので、自分で決めたことだけれども「ありゃ、またポケットにコンパクトデジカメを入れてくるのを忘れたよ!」などと腹をたてたりしながら、いちおう記録をしてきたものである。

b0061413_22491120.jpg 薪ストーブを導入して5シーズン目で、何となくだがようやく「ちょっとわかってきた」というようなところがある。まず、日々のなかにおいても薪をその原木の種類と乾燥した年月などによって質を見極めて、組み合わせて焚くこと自体が、けっこう頭を使うパズルのようなものである。このことは伐採した境内の木などを1年以上乾燥させてそれを使い始めた2シーズン目からは漠然と感じていたことではあるけれども薪ストーブ1年生、2年生の時代にはそれをブログで書くと何となく「知ったかぶり」という感じがしていて、5年生になってからようやく言及してもいいかなぁと思うようになった。

b0061413_22492556.jpg 薪ストーブの火おこしをしてその火を確実に起動にのせるまでのパズル的なプロセスについては、趣味であるアウトドアクッキングの技法も役に立っているが、直接的ではないものの2014年の春になぜか録画していたEテレの趣味Do楽「茶の湯 裏千家 茶の湯と出会う」の「炭点前」の放送回に啓蒙された面がある。炭ではなくて薪をくべていくわけであるが考え方として胴炭(どうずみ)、輪炭(わずみ)、割炭(わりずみ)、毬打炭(ぎっちょずみ)、管炭(くだずみ)の役割にあたるに適当な材質と乾燥具合とサイズの薪をパズル的に選び出すことを何だか自然にやっている。もしかしたら私は炉手前の平点前さえできないのになぜか炭点前ができるという変態茶人になっていける素質が出てきたのかもしれない。

b0061413_22493830.jpg 春先になった頃には満載されていたウッドストックの薪もたいぶ底をつき、いちばん奥に積んである竹ともともとは境内にあった杉のみが残っていったのだが、これでいいのである。春になれば朝と夕方にボワっと燃やしてあとはその余韻だけで充分に暖かい。逆に、1月や2月の真冬には樫の木だったり梨の木だったり、とにかく簡単には燃え尽きないような薪を中心に据えてパズルの中核としなくてはならない。ちなみに竹は寺院の竹やぶをほぼ毎年、日当たりのために伐採してきたものだ。タテに割ったもので空気が節にたまる空間をなくして、さらに1年以上乾燥させたら爆(は)ぜることはなく、むしろ優秀な着火剤、または温度調整ができる中間材として使える。これを金をかけてゴミとして出さねばならなかった時代の無念が、いちばん薪ストーブ導入の精神的な「着火剤」となったのである。ただ、これを燃やしたいために繊細なフィルターなどは付いていないクラシックタイプで薪ストーブであると同時に石炭ストーブでもあるバーモント州製の「ヴィジラント」という機種を選んだ。

b0061413_22495413.jpg 竹とか杉が残り、最近は朝にお湯を沸かすためにそれらをサッと焚いて、日中はそんなに薪をくべなくてもいいのでこれでいい。当分、そういうローテーションとなり、あとは梅雨時に洗濯物を乾かす目的で(ついでに熱いけれども湿気も吹き飛ばして爽快にしてくれる)6月中の役割を終えると4ヶ月間ほどのオフシーズンに入る。ただし、そのオフシーズン中に次シーズンの薪の調達、次々シーズンに向けて使える薪の乾燥などの「年間、あるいは数年間を通じてのパズル」をやらなければならない。けっこうたいへんだ。 この薪小屋、ウッドストックスペース自体もオフシーズンの間にはいろんなことの作業小屋となる。そんな日々や年間を通してのパズルをやっているうちに「適所適材」という言葉がしょっちゅう思い浮かぶ。「適所適材」の「材」は、主に人材ではなく木材である。


マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2015-04-18 23:47 | 雑草


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