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2015年 05月 23日

スポーツ吹き矢(競技)を一晩で知ったかぶり

昨日、ある住職さんと日程の打ち合わせをしていて
「ごめんなさい、その日はある競技の県大会に出場しなくちゃいけなくて…」
と言われ、それは何気ない会話であったのだが
「それはどんなスポーツのの大会なのですか?」
と尋ねると
「吹き矢なんです」
「えっ?FUKIYAっていうと?」
「そうです、筒状のものから発射して的に当てる吹き矢のスポーツ競技です」
というやりとりがあって、矢継ぎ早に20ぐらいの質問をたてつづけにしてしまった。
以下、箇条書きにするのは、その質問の結果で知ることができた知識の羅列である。

(1) 吹き矢( blowgun)に相当するものは世界各地に古代からあるが、
    スポーツ競技として確立した上で全世界への普及を目指しているのは
    日本である。すでに短期間のうちに海外の支部も多数できている。

(2) 1988年頃に新潟県長岡市の開業医・樋口裕乗氏が創始者となって
    スポーツとしての吹き矢のルールやレギュレーション(規格)などの
    整備が行われている。

(3) 筒の規格は全長120cmである。100cm(ジュニア用)もある。
    内径13mmで材質は釣り竿と同じくカーボン、グラスファイバー等が用いられる。

(4) 老若男女を問わずに楽しめ、その交流やストレス解消や
    シューティングゲームとしての娯楽性も競技の目的であるが、
    同時に高い精神性を求道するメンタル面の鍛錬も大切にしており、
    従って武道のような段位制、昇級制度を用いている。
    
(5) 的は半径3cm、6cm、9cm、12cmの同心円で内側から7点、5点、3点、1点となる。
    的までの距離は前述の段位制に基いて6m、8m、10mの3段階に分かれる。

(6) 1ラウンドにつき5本の矢を吹き、4ラウンド(140点満点)、
    あるいは6ラウンド(210点満点)を1ゲームとする。

(6) タレントでは上地雄輔が愛好者であり、すでに2009年に2級に昇格している。

(7) 吹き矢が発射された時の初速はトップ選手で約150㌔。
    これは、上地雄輔が横浜高校野球部で捕手だった時代に受けていた
    エースの松阪大輔の投球の初速とほぼ同じである。

(8) AKB48の天然娘・小森美果が愛好者であり、今後の総選挙では
    吹き矢愛好者の支援を受けて伸びてくるとかこないとか。

(9) 2007年には日本スポーツ吹矢協会が
    文部科学省より社団法人として認可されている。

(10) オープン競技ながらすでに和歌山開催や東京開催での
     国体(国民体育大会)で競技の実施がされている。

(11) 日本スポーツ吹矢協会は、国体の正式種目入りを目指していると同時に
     将来的にはパラリンピック、オリンピックの正式種目入りを志している。

(12) その社団法人でもある日本スポーツ吹矢協会の本部は
     東京都中央区銀座3-10-9 共同ビル9F という場所にある。

(13) そんな銀座3丁目では、筒をケースに入れていても裸で持っていても
     警察官から職務質問されてしまうというのが
     「スポーツ吹矢競技者あるある」であるという。

(14) 大会や海外支部での講習など飛行機に乗らねばならない時には
     なかなか手荷物で機内に筒を持ち込むのは難しいらしい。
     手荷物でなくても検査時、特に海外の税関で筒の用途を説明するのに
     苦心しているという。

(15) ちなみにケースはDAIWAやSHIMANOの釣り竿用のものを流用する人が
     主流であるが、複数を野球のバットケースに収納する人もいるという。
     さらに全長120cmの筒は3つに分解可能なため、フルートのケースに入れる
     という人もいるとかいないとか。

(16) 銀座3丁目の本部は事務所の他に試合や講習のための競技場も兼ね備えている。

(17) 試合や練習の後で、銀座のキャバクラにちょっと寄ると
     競技用の筒の入ったケースを見て「それは何ですか?」
     というキャバ嬢の最初のツカミ(関心)の高さは
     最大級であるとかないとか。

(18) 最初からキャバ嬢の(話題としての)関心が高く、
     競技者はスポーツ吹矢で培った柔軟かつ健全で崇高な人格により
     モテモテであるとかないとか。

(19) たとえばドラムやサックスを演奏する「ちょいワルおやじ」というものは
     モテる要素であるが「吹き矢を嗜むちょいワルおやじ」という
     その「ちょいワル」の具合のインパクトは絶大であるとかないとか。

(20) 「ちょいワル」とは言ってもそこは段位制度も取り入れている武道精神と
     健全な娯楽精神によって成立するスポーツであるから
     たとえば戦争を頂点とするケンカや動物虐待に培った技術を使うことは
     とんでもないことで、競技者は楽しく素晴らしい人格者が多い。

などと、私が繰り出した20の質問に実に丁寧に住職さんは答えてくださった。
つい30時間前に私はスポーツ吹き矢という世界のことを知ったばかりである。
しかし、今の時代であるからさっそくにYouTube等で
「パーフェクトゲーム達成の瞬間」の動画などでその緊張感などを味わい、
何だか一度も道具に触ったこともないし実際の競技を見たわけでもないのに
ハマってしまっている感じがある。

銀座のキャバ嬢ではないけれども「えっ?吹き矢?」ということで私が
これほど喰いついて質問を連発してしまったのである。
話題性の大きさではこれほどのものはないような気がする。

この盛り上がり方は私の人生経験のなかの「何かに似ている」と感じた。
思い出してみればこの草仏教ブログの愛読者でいてくれる「えみぞうちゃん」から
「マトリョーミン演奏」という世界を教えてもらった時の感覚に似ている。
「ロシア人形にテルミンを内蔵した楽器?何だそれは?」
「竹内正実さんって誰だ?」
「すでに協会が設立されているのか?」
など、その意外性に驚きまくったものであった。
その後に「どんどん調べることができる」という今の時代の特性を活かして
知れば知るほどにその意外なほどの演奏人口の幅広さや深さに驚きまくった。
そして、1回だけ、それもアフターライブながらもマトリョーミンと共演させてもらって
その周囲の空気感さえも変えてしまう世界を知ってしまった。
私はマトリョーミン自体はまだ演奏したことがないけれども
知って体感しただけで豊かになれた気がした。

もしも、私の娘たちや息子が将来に就職のため提出する履歴書に
「趣味は吹き矢競技とマトリョーミン演奏」
などと書き込めば、私と同年代ぐらいであろう人事課長に与えるインパクトは最大級だろう。
しかし、これは
「発想や動機がちょいワルおやじ」
と反省しなければならない。

マーヒー加藤
     
    
    

by kaneniwa | 2015-05-23 23:10 | 草評


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