2005年 08月 25日

拝啓 中山文部科学大臣様

拝啓 中山文部科学大臣

あなたの第87回全国高校野球選手権でのご挨拶は、何というか
「よく踏み込んでここまで言ったなぁ」という印象を正直もちました。
高知県の明徳義塾高校の大会に備えての甲子園練習中の突然の
出場辞退(喫煙と暴力事件の発覚)という前代未聞の出来事の後だった
ということが大きいのですが、「全国から選手を集める風潮」に対する批判を
テレビやラジオの前の人々も含め、大衆の前で堂々と言われたのですから。

私は車のなかで「これだけ踏み込んだことを堂々と言った人は初めてだろうなぁ」と
思いながらあなたのご挨拶を聞いていました。同時に、あなたのご挨拶を正面から
直に聞いている選手には、実際にその野球留学をしてきた選手も多かったと
思います。

そして、甲子園以外でのあなたの言動を勉強させていただいたところ、
あなたが、いわゆる「ゆとり教育」の反対論者であり、経済が競争原理に
よって動いているように、学力にも競争原理の導入というか、復活というか、
そういう持論を強くもたれていることを知りました。ついでに奥様が、あの
拉致問題に尽力された中山参与であることにも、今さらですが気がつきました。

私も競争原理には実は賛成で、運動会で順位をつけない、などということは
バカらしいと思っています。運動が苦手な子には順位を付けないことで救済するの
ではなく、運動以外の色々な道を開いてあげることが教育的です。
もちろん、この運動を国語・数学・英語・音楽など他の項目に置き換えていいです。

しかし、どんな分野であってもずば抜けた1位になった人がよい環境とよい競争相手、
よい指導者(なんてもんは後からしか本人にも分からないことでしょうが)を求めて
地域外に出ることが悪いことでしょうか。

中山大臣、ちょっと矛盾しますね。でも大臣、あなたのご発言に半分は共感する
ところもあるのです。大学野球にくらべてもレベルの低い高校野球の一投一打の
方が、今年の前半の巨人のバッティング練習のような野球を観ているよりもずっと
面白いことを再発見しました。一球ごとに歓声が湧きあがり、その一投一打で彼らの
人生まで左右されるかもしれないという緊張感の高まりがあります。そして、プロ野球
と比べたらレベルの低い野球にこれだけ熱い視線が注げるのは、彼らが地域の
代表であることが大きく関係しているからです。

そこで、評論しているだけでは何だかズルいので、積極的な提言をします。
中山大臣の言われることに内実を伴うようにするには、夏の甲子園は今のままで
春の選抜は公立高校に限定します。

それは秋期大会との兼ね合いと毎日新聞社の反対にあってできないのならば、
公立高校限定の「初夏の甲子園」か「秋の甲子園」という大会を新設します。
会場を「甲子園」にしなくてもいいというのなら、別に夏の甲子園も必然性はありません。

たとえば、そういうことまで少しは考えられた上で87回大会のご挨拶をされたのであれば、
私はあなたを尊敬します。とにかく批判だけして、後は高野連に任せたというのでは
軽蔑します。

最後に、明徳高校の辞退で始まって駒大苫小牧の暴力事件発覚(事実関係はまだ
よく分かりません)で試合内容の良さが目立っただけに後味の良くない大会になり
ましたが、「処分」「辞退」「自粛」とかいうのは、ただの処理的なことか見せしめであって
教育ではありません。そこに「更生」とか「やり直し」とか「見直し」という内容のものが
見えた時に、ああ、高校野球は教育の一環としてやっているのだなぁと感じます。
ラグビーの「スクール・ウォーズ」のモデルになったようなチームが野球でも出てきて
欲しいと思います。

 マーヒー加藤  http://www.iplus.jp/~naoko/index.html
[PR]

by kaneniwa | 2005-08-25 05:48 | 草評


<< 拝啓 鳩山由紀夫様      京都に生まれた幸せと不幸(3)... >>