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草仏教ブログ

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2006年 02月 12日

超訳徒然草・吉田くんのブログ(第9段)

女は髪のめでたからんこそ、人のめたつべかめれ。
人のほど、心ばへなどは、ものいひたるけはひにこそ、ものごしにも知らるれ。

事にふれて、うちあるさまにも人の心をまどはし、すべて女の、うちとけたるいも寢ず、
身ををしとも思ひたらず、たふべくもあらぬ業にもよく耐へ忍ぶは、ただ色を思ふが故なり。

まことに愛著の道、その根ふかく源とほし。六塵の樂欲おほしといへども、皆厭離しつべし。
其の中に、ただかのまどひのひとつやめがたきのみぞ、老いたるもわかきも、
智あるも愚なるも、かはる所なしとみゆる。

されば、女の髪すぢをよれる綱には、大象もよくつながれ、
女のはける足駄にて作れる笛には、秋の鹿必ず寄るとぞ言ひ傳へ侍る。
みづから戒めて、恐るべく愼むべきは此のまどひなり。

(吉田兼好法師 『徒然草』 第9段)

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吉田でーす。喜八さんのブログから恋愛バトンというものがまわってきて、今、マーヒーが執筆しているけど、
実はこの第9段、まさに吉田の恋愛バトンなわけさ。しかも、喜八さん自身のバトンの回答を
読むと、「声が綺麗な女性」というのを語られているけれど、ぼく(吉田)もまったく同じで、
「ものいひたるけはひにこそ、ものごしにも知らるれ」と、女性の声の魅力にはなかなか
一言もっているんだ。僕の方が700年ほど、この意見の先輩なのさ。じゃ、いくよ。


女性は髪型のセンスがいいというのが他の人の目をひきつけるみたいだけどさぁ、
吉田に言わせれば声にフェロモンを感じるねぇ。

ぼく(吉田)の時代の女性がさぁ、満足に熟睡もできず、自分の身を惜しいとも思わず、
我慢できないはずのことでも我慢ができるのは、ひとえに恋愛に命をかけているからだねぇ。
そして、そういう女性の情愛に対する男の欲望も、これまた本当にどうしようもないねぇ。

さまざまな刺激がまきおこす欲望は多いけれど、それらはまあ努力で捨て去ったり、
やめたりできるものもあるけど、最後までなかなか捨てることができないのが、この
女性に心を惑わされるということだね。このことだけは老人も青年も、賢い人にも
愚かな人にも共通しているね。

※ だから、女の人の髪で作ったロープは象でもつなぐことができるのさ。

また、僕の時代の元祖靴フェチが言うには、女の人の履いた下駄で笛を
作って吹くと、発情期でもないのに秋の雄鹿が寄ってくるというよ。

気をつけろ!


※ ちなみに、ぼくの時代には動物園なんかなかったから、象の存在は
  仏教を通して知ったよ。


超訳BYマーヒー

by kaneniwa | 2006-02-12 17:06 | 徒然草


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