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2006年 11月 05日

超訳徒然草・吉田くんのブログ(第59段)

大事を思ひたたん人は、去りがたく、心にかからん事の本意を遂げずして、
さながら捨つべきなり。
「しばし此の事はてて」、「おなじくはかの事沙汰しおきて」、
「しかじかの事、人の嘲やあらん、行末難なくしたためまうけて」、
「年來もあればこそあれ、其の事待たん、ほどあらじ。物さわがしからぬやうに」
など思はんには、えさらぬ事のみいとど重なりて、
事の盡くる限もなく、思ひ立つ日もあるべからず。
おほやう人を見るに、少し心あるきはは、皆此のあらましにてぞ一期は過ぐめる。

ちかき火などに逃ぐる人は、しばしとやいふ。
身を助けんとすれば、恥をも顧みず、財をも捨てて逃れ去るぞかし。
命は人を待つものかは。
無常の來る事は、水火のせむるよりも速に、逃れがたきものを、
其の時、老いたる親、幼き子、君の恩、人の情、捨てがたしとて捨てざらんや。

(吉田兼好法師 『徒然草』 第59段)


本当に大事なことに専心したいという人に吉田から超整理法をさずけたい。
あれを整理しなきゃとか、身辺のことを精算しなきゃとか、心にひっかかってくる
さまざまな用件をそっくりそのまま、全部捨てちゃいなさい。

「大事なことをする前に、しばらく待って、アレを整理してからにしよーっと」
「どうせならアレを整理してからにしなくっちゃ」
「このままでは人に笑われちゃうから、もうちょっと準備してからにすっか」
「あわてて大事なことに専念しても仕方ないし、処理にそんなに時間かかんない
だろうから、まずコレすっか」
なんてみんなアレコレ言うなぁ!
そんなこっちゃますますヤボ用ばっかりがますます重なりに重なって
身動きとれなくなっちゃうってば。それじゃ発心や決心する日も来ないってば。

申し訳ないけど、世間を見回して、ちょっとだけ仏道など大事なことに
関心あるというような程度だと、すでに述べたような言い方で
軽~く一生を過ごしちゃうんだってば。

近所が火事になって「ちょっと待ってね」なんて言う? 
その時にはちょっと恥ずかしいパジャマ姿だったとしても
貴重品も見捨てちゃって逃げるでしょ。
命の問題ていうのは人の気持ちとか都合とかをを待ってくれないの。

みんないつか来る死ぬ瞬間というのは、洪水や火事の火の手よりもスピーディに
襲いかかって来るんだよ。しかも逃げ去ることもできないの。
そんな死の瞬間になってから年老いた親のことや幼い子どものことや
上司の恩や人の好意のことを考えたって間に合わないの。

超訳BYマーヒー

by kaneniwa | 2006-11-05 23:34 | 徒然草


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