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草仏教ブログ

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2007年 03月 22日

超訳徒然草・吉田くんのブログ(第109段)

高名の木のぼりといひし男、人をおきてて、高き木にのぼせて梢をきらせしに、
いと危くみえしほどはいふ事もなくて、おるる時に、軒長ばかりになりて、
「あやまちすな、心しておりよ」
と言葉をかけ侍りしを、
「かばかりになりては、飛びおるるともおりなん、如何にかくいふぞ」
と申し侍りしかば、
「其の事に候。目くるめき、枝危きほどは、己が恐れ侍れば申さず。
あやまちは、やすき所になりて、必ず仕る事に候」
といふ。

あやしき下臈なれども、聖人の戒にかなへり。
鞠も、難き所を蹴出して後、やすく思へば、必ず落つと侍るやらん。

(吉田兼好法師 『徒然草』 第109段)

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世間から木登り名人と呼ばれる男が、人に高い木に登らせ、
枝を伐採させている時の話だが、とても危険な状態に見えたときは何も言わず、
木から降りてくるときに家の屋根の高さぐらいまで降りた時に、
「怪我をするなよ。用心するんだぜ」とアドバイスをおくったので、
「こんな高さまで降りてくれば、飛び降りようと思えばそれも可能な高さじゃないですか。
どうして今さらそんなアドバイスを?」
と聞くと、
「それなんだぜ。クラクラするほど高い場所で、しかも枝も折れそうなんて場所では
自分で危ねぇのが分かっているから俺は何も言わん。
怪我ちゅーもんは、安全だと思って気がゆるんでいる時に必ずやってくるんだぜ。」

怪しい木登り名人の話だが、その言葉は聖人と言われる人の戒めの言葉と同じだ。
サッカー(蹴鞠)の世界でも、ワールドカップクラスのリフティングをカッチョよく決めた
直後に蹴りそこなってボールを落としてしまうのだとか。

超訳BYマーヒー

by kaneniwa | 2007-03-22 20:41 | 徒然草


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