2007年 04月 24日
人におくれて、四十九日の佛事に、或聖を請じ侍りしに、 説法いみじくして、皆人涙をながしけり。 導師歸りて後、聽聞の人ども、 「いつよりも、ことに今日はたふとく覺え侍りつる」 と感じあへりし返事に、或者の云はく、 「何とも候へ、あれほど唐の狗に似候ひなんうへは」 といひたりしに、あはれもさめてをかしかりけり。 さる導師のほめやうやはあるべき。 又、 「人に酒すすむるとて、己まづたべて、人に強ひ奉らんとするは、 劔にて人を斬らんとするに似たる事なり。二方に、刀つきたるものなれば、 もたぐる時、先づ我が頸を斬る故に、人をばえ斬らぬなり。 己まづ醉ひてふしなば、人はよもめさじ」 と申しき。 劔にて斬り試みたりけるにや、いとをかしかりき。 (吉田兼好法師 『徒然草』 第125段) 人に先立たれ、中陰法要である四十九日の法事の時、 ある聖人をお招きしたところその説法がすごくよくて、聴いた人すべてが涙を流した。 法事の導師だったその聖人が帰った後、説法を聴いていた人たちが、 「いつもより今日の説法は有り難く感じました」と一同で感心していたところ、 ある人が 「なんと言っても、あれほど中国のコマ犬の顔に似た導師はいないですから」 と言ったのでズッコケつつ、みんなにバカウケしてしまった。 そんなほめ言葉ってアリなわけ? それから、 「人にお酒を勧めようと、自分がまず飲み、それから人に無理矢理飲ませようとするのは、 刀で人を斬りつけようとしているようなもんだ。なんせその刀は両刃の剣だから、 大きくふりかぶったときにまず自分の頭を斬ってしまうので、人を斬れなくなっちゃう。 それと同じで、自分が先に酔っぱらっちゃって、しかも寝ちゃったりしたら、 相手はもう酒を飲む気分じゃなくなっちゃう」 と言う人がいた。実際に剣で人を斬る実験でもしたことがあるのだろうか? 実に可笑しくて笑っちゃうよ。 超訳BYマーヒー
by kaneniwa
| 2007-04-24 20:22
| 徒然草
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