2007年 07月 10日

ものすごい背後霊???

「ものすごい背後霊ですねぇ、福井さん」という声で目が覚めた。
確かウインブルドンの男子シングルスの決勝というものをテレビで深夜遅くまで
見ていたはずだった。福井さんというのはNHKのテニスの解説者の福井烈(つよし)さん
のことのはずだ。しかし、バーボン片手にウインブルドン2007男子シングルス決勝をテレビで
観ていて、いつの間にか酔いと眠りとの中間の状態に自分が居ることは認識していたが、
このマーヒーのロバの耳は確かに端正な発音のNHKのアナウンサーの声で
「ものすごい背後霊」という言葉を聞いた。

ウインブルドンのセンターコートに背後霊が本当に現れたのかと思って目をこすって
リプレー画面を見て確認したら、背後霊ではなくてハイ・ボレーだった。
でも、それはフェデラーが背中に目があるかのように決めたバックハンドでの
ハイボレーのスーパーショットだったので、ちょっと近かったかもしれない。
(近くないってば)
とにかく、この「背後霊」の聞き間違いのおかげでウトウト状態から目が覚めて、
久しぶりにフルセットまで持ち込まれたこの試合を観ることになった。

中学生から高校生の間のマーヒーにとってのヒーローは、
ボブ・マーリィー、松田優作、ビヨン・ボルグの三人だった。
今思うと、何だか三人とも顔が似ている気がする。

ボブ・マーリィーも松田優作も、もう娑婆(しゃば)にはいない。
ビヨン・ボルグはこの日のテレビ画面のなかでロイヤルボックスで観戦している
顔をずいぶんと久しぶりに観た。総白髪になっているとは思わなかった。

報道席にいたジョン・マッケンローが今回のフェデラーと同じくウインブルドン5連覇が
かかっていたビヨン・ボルグに挑戦したのは、やはり今回の挑戦者のナダルと同じ
21才の時だったと記憶している。

前年の4連覇の時のビヨン・ボルグVSロスコー・タナーとの壮絶な試合以来、
それから10年間ほどは、この日本の七夕前後の風物詩のように、
このウインブルドンの男子シングルス決勝は夜更しして見続けた。

ピート・サンプラスの優勝シーンなんかはスポーツニュースで観ていた記憶があるので、
けっこう久しぶりにテニスの試合を真剣に観戦した。(途中で寝ているってば)

しかし、テニス選手としてものすごい完成度を誇るフェデラーの精度の高いショットに、
並の選手なら追いつくのがやっとのボールをスーパーショットにもっていくナダルという
若者に感心した。角度の権化(ごんげ)だ。
「背後霊」のおかげで起きてて良かったと思えた壮絶な打ち合いだった。

ボルグに挑んでスーパー・プレイを連発し、「これでもか!」とショットやボレーを
打ち込みながらボルグの精度の高いパッシング・ショットやトップスピン・ロブに
やられた21才の時のマッケンローは試合後に大粒の涙を流して、ネットサイドの
ベンチにずっと佇んでいたシーンは今でも強く印象に残る。

その時間、マッケンローは「どうすればボルグに勝てるのか」をずっと考えて
いたのだと思う。
解説者が誰かは忘れたが(たぶん神和住純だよ)
涙声で「きっとマッケンローの時代がきますよ」と言った通り、
その次の年のウインブルドンを征したのはマッケンローだった。

今年の21才のナダルも、あとほんの一歩及ばなかった悔しさを込めて、
「どうすれば、あの精密機械のようなフェデラーに勝てるのか」を
ずっと考えていることだろう。

マーヒーは、ナダルにこう言ってやりたい。
「君も完璧さ。あとはハイ・ボレーと背後霊だ」
(スペイン人のナダルにこのシャレは通用しないってば)

マーヒー加藤
[PR]

by kaneniwa | 2007-07-10 01:30 | 草評


<< 超訳徒然草・吉田くんのブログ(...      超訳徒然草・吉田くんのブログ(... >>