2007年 08月 07日
此の人、東寺の門に雨宿りせられたりけるに、不具者共の集りゐたるが、 手も足もねぢゆがみ、うちかへりて、いづくも不具に異樣なるを見て、 とりどりに類なき曲者なり、尤も愛するに足れりと思ひて、 まもり給ひけるほどに、やがて其の興盡きて、見にくくいぶせく覺えければ、 ただすなほに珍しからぬ物にはしかずと思ひて、歸りて後、 此の間植木を 好み、異樣に曲折あるを求めて目を喜ばしめつるは、 彼のかたはを愛するなりけりと、興なく覺えければ、 鉢に植ゑられける木ども、皆掘り捨てられにけり。 さも有りぬべき事なり。 (吉田兼好法師 『徒然草』 第154段) 153段から続く、この日野資朝さんのエピソードなのだが、 ある時、東寺の門で雨宿りをしていた時、 そこに大勢集まって座っていた手も足もねじくれて曲がり、反り返り、 体の自由が効かなくなってしまった人々を見て 「みんなそれぞれに変わっている、大いに愛すべきものだ」 と思ってしばらく見つめ続けていたのだが、だんだんと飽きてきて、 見るのが嫌になってきて、不快に思うようになってきた。 家に帰ってから、日野さんが集めていた盆栽などは、 普通のものよりも曲がったものを好んでいたのであるが、 それを鑑賞しながら喜んでいたことは、東寺で会った人々を おもしろがるような気持ちと同じことだったと思って興ざめし、 鉢に植えた多くの木を全部掘り出して捨ててしまった。 いかにも、そういうことがありそうな日野さんだった。 超訳BYマーヒー
by kaneniwa
| 2007-08-07 22:04
| 徒然草
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