2007年 08月 16日

明訓高校永井剛投手の「魔球」

今年の夏は暑い。
日本での最高温度記録も更新され、もうバテバテ寸前だ。

それでも、今年の高校野球で応援している新潟明訓高校が、1回戦を1-0、
2回戦を延長12回の激戦を2-1でしのぎ勝ち残っているのが嬉しい。

2回戦で同点ホームランを放った遊撃手の長橋くん(キャプテン)をはじめ、
全員ががんばっているのだが、注目度でいうと、
ここまで16イニング余りを投げて失点0で25奪三振のエース投手の永井くんが大きい。

その永井くんが投げる、左打者の外角に逃げていくように曲がってなおかつ落ちる
ボールに注目してみたい。

このボールの不思議さは、数多くある。
まず、投げている永井投手本人が「シンカー」と呼び、
明訓高校の佐藤監督は「フォーク」と呼んでいることが不思議だ。

ガソリンスタンドの給油の際などにスポーツ紙を読んでみると、「シンカー」と
表記されていたり、「フォーク」と表記されていたりする。

けっこうある高校野球ファンのブログを読んでみても、
「シンカーの握りで投げているフォーク」と書かれている方もいれば、
「フォークの握りで投げているシンカー」と書かれている方もあり、
まさに諸説紛々(しょせつふんぷん)なのだ。

マーヒーは、お盆の仕事の都合もああって録画で明訓の試合を観ているということもあり、
ズバリこのボールの正体について解説しておきたい。

まず、このボールが「シンカー」とアナウンスされた時に???と感じた。
日本のプロ野球で「シンカー」を決め球にしていた投手は何人かいる。
たとえば阪急ブレーブス(球団名さえややなつかしい)の山田投手。
それから西武ライオンズの潮崎投手。
まあこの二人の名前が「シンカー」という球種で思い浮かぶのは
マーヒーだけではないだろう。

しかし、この二人のように、「シンカー」を操るのはアンダースロー(下手投)か
もしくはサイドハンドスロー(横手投)の投手が多く、通常、アンダーやサイドの
ピッチャーを打つのに有利と言われる左打者を攻略するのに特に有効な球種だ。
そして、左打者の外角に逃げながら曲がっていくのも、下手や横手から投げる特性
によるところが大きい。

ところが、永井投手は端正なフォームからのオーバーハンド(上手投げ)の
ピッチングである。それが???の理由だ。

ずばり断言して、あのボールは球種としては「フォークボール」だ。
録画で握りを確認してみた。
ただ、やっぱり普通のフォークボールとはちょっと違う。
ナチュラルシュート(自分ではシュートを投げるつもりがないのにシュートする)という
ボールがあるように、あれは「ナチュラルフォーク」というべきものだ。
指の長さや握りのクセで、フォークを投げるとシンカーのような軌道になるのだ。(たぶん)

ではそれは悪いクセなのかというとまったく逆で、これは才能である。
その才能が、左バッターがズラリと並んだ1回戦で開花したのだ。
(だって、県大会ではほとんど投げてない球種のはずだもの)

それで言うと、左バッターがズラリと並んだ1回戦を1-0で勝ったということも
ものすごく貴重な巡り合わせだ。

これはひいき目もあるが、これを見事に打てるようなイメージがあるのは
中日ドラゴンズの落合監督の現役時代。
それから左打者では現役時代の掛布やバースが浜風を利用してラッキーゾーンに
叩き込むようなイメージはあるが、今の甲子園はラッキーゾーンも撤去したし、
何だか無敵の「魔球」のような気もしてきた。

ひいき目からの皮算用ではあるが、次も勝ちベスト8以降も勝ち進めば、
このボールは多くの人の注目を浴びるだろう。
(もちろん、永井くんだけでなく全員が注目を浴びて欲しいのだが)

スポーツ紙なんかがこの「魔球」に命名する前に、マーヒーはこのボールを
命名しておきたい。
ブラボールでいこう。

三振をとって、球場で「ブラボー!」と言いたくなるボールであり、
何だかサンプリングで擬音をつけるとしたら「ブラっ」という感じで曲がって落ちるからだ。


マーヒー加藤
(ピッチング解説者 ケアレ・スミス)
[PR]

by kaneniwa | 2007-08-16 23:23 | 草評


<< リトルレディにリトルレディをプ...      粒焼(4)  熱いぜ! >>