2007年 11月 20日

不幸のずんどこ研究(3)

不幸のずんどこ状態とはどのようなものか、
「クラリネットをこわしちゃった」という歌をとりあげつつ考察している。
まだまだ長くなりそうだなぁ。

推理に頼っている部分が多いが、今までの考察をまとめると
モーツアルトの時代からフランスのクラリネット裏千家の継承者で
ある「ボク」は、父から伝授されたクラリネットを愛しつつ、
クラリネットという楽器の母国であるフランスのクラシック界を背負って
立つ覚悟であったのだが、音孔をふさぐのに関連する大事な部品である
タンポが湿気に弱い羊の腸でできたクラリネットを使用していため、
徐々に音が出なくなるというストレスを抱えることとなったのである。

この「ボク」が、年齢は不詳ながらなかなかのクラリネットの演奏者ではないか
という推察を少し書いたが、その根拠を記しておきたい。

この「ボク」は、音が徐々に出なくなってきているクラリネットに大変な
ストレスを抱えているのだが、「演奏を続けよう」という執念を常に持ち続け
ている。
それは、クラリネット裏千家の継承者としての重圧がそうさせているのかも
しれないが、決して演奏をストップしようとは考えない気概の持ち主である。
それは、やはりひとえに「ボクの大好きなクラリネット」と宣言できるような、
そんな楽器と音楽を愛する一流のミュージシャンだからなのだ。

チャイコフスキーコンクールを優勝した五嶋みどりは、
「チャイコフスキーバイオリン協奏曲」という難曲を弾いている最中に
弦を切ってしまったが、超絶技巧によって残りの3本の弦を使いこなし、
見事に最後まで演奏を成し遂げた。

また、名前は忘れてしまったが、かつて憂歌団のライヴに共演した
三味線の名人は、三本しかない三味線の弦のうちの一本を切ってしまった
のだが、見事に残りの2本の弦だけで内田勘太郎の烈しいギターに
必死についていき、見事なブルースセッションをやりとげた。

それにアドレナリンを分泌させられた内田勘太郎は、
わざとだと思うのだがギターの弦を次々とはじき飛ばすような
弾き方をし、最後にはギターのピックアップマイクとギターアンプとの
間に起こる「ハウリング」という現象を使い、ギターをアンプに近づけたり
離したりする動きをくり返しながら、「ゲバゲバ行進曲」のような
フレーズの音を出して京都の蔵でできたライヴハウスを沸かせた。

クラリネットの「ボク」は、そんな精神の持ち主なのだ。
音が出なくなったのだから演奏を放棄するのでなく、
必死にクラリネットでの演奏を試みているのである。

おそらく、
ハーモニカでいうベンドというテクニックがクラリネットにもあるのかどうかは
わからないが、本来は吹く楽器であるはずのクラリネットを強く吸ってみると
いうような試行錯誤もしたのだろう。
逆に、ものすごく強く吹いてみるということもすでに試しているであろう。

しかし、クラリネットの故障の原因は湿気に弱い羊の腸でできたタンポという
部品にある。
あせって強く吹き込むことにより、その唾液の泡沫はタンポの湿度を上げ、
状況はどんどん悪化していくのであった。

がんばればがんばるほどに状況は悪化していくという、
かなり強いストレスがこの「ボク」には与えられていく。

♪ ど~しよう、どーしよう

という、不幸に見舞われていくのである。

まだ続く。


マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2007-11-20 23:00 | 草評


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