2007年 11月 29日
鎌倉の中書王にて御鞠ありけるに、雨ふりて後、未だ庭の乾かざりければ、 いかがせんと沙汰有りけるに、佐々木隱岐入道、鋸の屑を車に積みて、 多く奉りたりければ、一庭に敷かれて、泥土のわづらひなかりけり。 とりためけん用意有り難しと、人感じあへりけり。 此の事を或者の語り出でたりしに、吉田中納言の、 「乾砂子の用意やはなかりける」 とのたまひたりしかば、はづかしかりき。 いみじと思ひける鋸の屑、賤しく異樣の事なり。 庭の儀を奉行する人、乾砂子を設くるは故實なりとぞ。 (吉田兼好法師 『徒然草』 第177段) 鎌倉幕府の将軍様の御所で、サッカー(蹴鞠)の大会が開催された時、 雨が降った後だったので、グランド状態はぬかるんでいたので どうしよう?と実行委員会が評議していたところに お坊さんの佐々木さんが、おが屑を車にいっぱい積んで持ってきて、 それを庭一面に敷いて、これで泥水もはねず、 試合実行に支障をきたす心配がなくなった。 「こういう時の準備のためにおが屑をこんなにためていたなんて素晴らしいなぁ」 と多くの人々は感心したのだった。 後日のことなんだけど、このことを、ある人が語り出したとき、 吉田の中納言が、 「その時に乾いた砂は用意していなかったのか?」 とおっしゃったので、その語った人は恥ずかしい思いをしてしまった。 そういう指摘がないとなかなかわからないけど、 ナイスアイディアだと思ったおが屑も、砂に比べればお下劣だし異様だ。 アウトドアのイベントではグランド整備部門の担当者が関連の催し物の責任者が、 乾いた砂を最初から用意しておくのは昔からの常識なのだ。 超訳BYマーヒー
by kaneniwa
| 2007-11-29 23:30
| 徒然草
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