2008年 02月 21日
妻といふものこそ、をのこの持つまじき物なれ。 「いつも獨り住みにて」 など聞くこそ、心にくけれ。 「誰がしが壻になりぬ」 とも、又 「如何なる女を取りすゑて、相住む」 など聞きつれば、無下に心劣りせらるるわざなり。 異なる事なき女を、よしと思ひさだめてこそ添ひ居たらめと、 賤しくもおしはかられ、 よき女ならば、此の男をぞ、らうたくして、 あが佛とまもりゐたらめ、たとへば、さばかりにこそと覺えぬべし。 まして家のうちを行ひをさめたる女、いと口惜し。 子などいできて、かしづき愛したる、心憂し。 男なくなりて後、尼になりて年よりたるありさま、なき跡まであさまし。 いかなる女なりとも、明暮そひ見んには、いと心づきなく、憎かりなん。 女のためも半空にこそならめ。 よそながら、時々通ひ住まんこそ、年月經ても絶えぬ仲らひともならめ。 あからさまに來て、とまり居などせんは、めづらしかりぬべし。 (吉田兼好法師 『徒然草』 第190段) 男たるもの妻というものだけは持ってはいけない。 「あの人はずっと奥さんがいないのです」と聞くと、すがしがしい。 でも、「誰かの婿になりました」とか「ある女をゲットして同居中です」 なんてことを聞いたら、とても軽蔑の気持ちで見下げてしまう。 「特にこれといったところもない女に夢中になって同居しているのだろう」 と思われちゃうし、もしも立派な女の人だったら 「さぞかし可愛がってお寺のご本尊のように大切にしているのだろうなぁ」 と思われちゃう。 さらに、家のことをしっかりと切り盛りしている女はくだらない。 子供などが出来て、大事に育てっているのも嫌だ。 相手の男が死んだ後、出家して尼さんになって年を取った姿は、 夫が死んだ後のことだけれども、いいもんじゃない。 どんな女でも、一年中、ナイト&ディを共に過ごしていたら、 嫌になっちゃって、むかついてくるだろう。 それでは女も夫には嫌われるし、別れることもできないし、 中途半端な状態になってしまうだろう。 そこで、男と女は別なところに住んで、 時々男が女のところに遊びに行くというライフスタイルを提唱したい。 これで、男女の仲が心がときめいて長続きするのだと思う。 ある日突然に男がやってきて、そのままお泊まりという流れは、 女にとっても新鮮だと思う。 超訳BYマーヒー
by kaneniwa
| 2008-02-21 04:48
| 徒然草
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