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2008年 05月 09日

名曲草鑑賞 (8) キャンディーズの年下の男の子 (4)

年下の男の子 をじっくり聴いてみる。(カーオーディオだが・・・)

今回は伴奏に焦点をあてよう。 (長いよ)

(それから・・・熱いぜ!)




まずドラムのカウントをとるようなリズムから
最初のホーンセクションの立ち上がりの音がいい。
歌謡曲なのに、イントロの最初の四小節の最後の最後の音は、
ビッグバンドでのJAZZでも演奏されるような予感を
感じさせる。

これは主観だが、このホーンセクションは、演奏しながら高揚してくる
というか、「盛り上がってくる感じ」 がある。
特にアルトサックスは、歌詞の2番の途中で
「えっ、こんな音が入っていたの?」
と驚くような 「おかず」 を入れてくる。

まさか、レコーディングなのでアドリブではないはずだが、
アドリブ的な要素を含んだ伴奏を用意していたということになる。

ギターの立ち上がりの音は、いわゆる歌謡曲っぽいのだが、
そのギターだけに注目していると、これまたおもしろい。
16ビートファンクのようなカッティングを装飾音もさりげなく入れながら
細かく正確にリズムを刻んでいき、のせられてしまう。

このギターの音は、たぶんフェンダーのテレキャスターのような
エレキギターをディストーション(ひずみ音)などの装置は通さずに
出している音ではないかと思う。思うだけで自信はないが・・・

そして、全盛期のキャンディーズを聴いていたのは
ポータブルプレイヤー(もちろんアナログ)やテレビやラジオの音声、
テレビの音声も今のテレビに付いているようなものではなく、
まったく気がつかなかったが、ベースギターはカントリーの2ビートの
ノリを出すような「遊び心いっぱい」という演奏をしている。

そして、この伴奏を、もちろんコンピュータでの「打ち込み」など
存在しない時代にドラムスは正確にリズムキープをしている。
ドラムが誰かはわからないが、こういうドラムがあって「遊べる」のだろう。

何と、 年下の男の子 には、あの村上秀一(ポンタ)さんがドラムを
叩いてボツになった伴奏のバージョンが存在するという。
この時代のポンタさんは、とにかく色んな人のレコーディングを
していたので不思議ではないが、ポンタさんをもボツにさせた、この
ドラマーの正体は知りたい。
このレコーディングでドラムを叩いた人は、カツ丼ぐらいおごりたいので
「私がやりました・・・私が思わず叩いてしまいました・・・」
と名のり出て欲しい。
とにかく、
「ドラムをバカにするとバチが当る」
というぐらい、編成が大きくなればなるほどドラムは大事だ。

とにかく、この 年下の男の子 という楽曲は、
デキシーランドジャズの大御所の
宮崎忠一(お亡くなりになりました)とデキシーキャッスル
なんかが演奏したら似合う曲調だとあらためて感じた。

このレコーディングに関わっていたかどうかは不明だが、
キャンディーズのライヴでのバックバンドといえば、
MMP (ミュージック・メイツ・プレイヤーズ) である。

これは、元ワイルドワンズのキーボード奏者がリーダーと
なって結成したバンドで、後楽園での解散コンサートのバックバンドも
MMPであった。
バックバンドにロックバント的なものを従えてライヴをやった
元祖も、キャンディーズなのではないだろうか?

キャンディーズ解散後、MMPのホーンセクションが母体となって
知っている人は知っている、「スペクトラム」 というホーンバンドが
結成される。
現在、「スペクトラム」 の楽曲や音源は入手できるのか?
と思って調べてみると、スタンハンセン(プロレスラー)の
入場テーマ曲の 「SUNRISE」 が、着メロダウンロードできるようだ。

キャンディーズとスタンハンセン・・・美女と野獣にこんな接点があった。


もう一つ、キャンディーズの伴奏をつとめたバンドとして大事なのが、
長年、生放送が基本であった ドリフの 「8時だョ!全員集合」 の
バンドを担当した 岡本章生とゲイスターズ である。

ゲイスターズ は、女心のある人たちのバンド?
と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、
調べてみるとゲイスターズの結成は昭和24(1949)年と、日本のビッグバンドの
なかでもたいへんな歴史をもつバンドであり、ゲイスターズのゲイは、
英語の辞書をひけば最初に出てくる 「陽気な」 という意味でつけられたのだろう。

ドリフのコントの合間に歌われるキャンディーズが大好きだったのだが、
それは、このゲイスターズの力も作用していたのだと今、認識する。

他の歌番組でキャンディーズが歌う時に、
伴奏がダン池田とニューブリードだったりすると、
「何となく感じる違和感」 があった。

そんな文句をつけたって、ゲイスターズ以外のバンドのメンバーは
お役人のように 「こっちは与えられた譜面のとおりにやっているんですけど」
と言うだろう。その「譜面どおり」という感覚が、まず違和感の一つなのだが・・・

これはニューブリードなどがヘボであるという意味では断じてなく、
また、好みの問題というのとも微妙に違って、
たとえば モーツアルトの交響曲をカール・ベーム指揮ウィーンフィルの
演奏をラジオなんかで聴いて好きになり、まったく同じ交響曲なのに
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルのCDを買ってきて聴いて
「何か違うなぁ」 と感じる感覚に近いのだろう。

とにかく、ゲイスターズというのは、「全員集合」のオープニングからエンディングまで、
ズッコケ音からキャンディーズの伴奏まで、ドリフのコントを根底から支える
役割を担っていたのだなぁとつくづく感じる。

ドリフ自体が、ビートルズの武道館公演の前座までつとめたバンドであった。
(荒井注などはスリーコードどころかワンコードしか弾かないキーボードだったが)

音楽とお笑いの関係も、また機会をあらためてじっくりと考察してみたい。

ドリフのコントでクラスのなかの女生徒を演じていたキャンディーズが
♪パパラ パンカカパッパ パパパ スッチャッチャ
というゲイスターズ演奏の舞台替えのテーマの間に着替えて
可憐な衣装で再登場し、
あのホーンセクションを中心にしたイントロが流れ、
年下の男の子 の出だしをランちゃんが歌う瞬間・・・

しびれましたね。


マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2008-05-09 00:39 | 草音


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