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2008年 07月 06日

仮想・裁判員制度 (3) 生か死かの評決

「死刑」 か、「無期懲役」かの判断を多数決で決めていいのか?

という仮想裁判の仮想マーヒー裁判員の仮想質問について、
「そんなことが多数決で決まるはずがない」
というご意見も、実はメールやヨソ様のブログでの
コメントでいただいていたのである。
(ヨソ様と書くと、ヨン様に似ているなぁ)

これは、マーヒーが裁判員制度についての今まで見聞きしたPRや説明からの
情報の整合性を読み取っての判断で、多数決で決まることもあるはずだという、
一応の、論理的推測から述べたファンタジーであったが、

最高裁判所のホームページをよく読めば、しっかりと、Q&Aのところで
「全員一致の意見が得られない場合には多数決」とちゃんと明記してある。
「無期懲役」か「死刑」かを多数決で決めるということだ。

まだ裁判員制度における裁判ははじまっていないのだが、
いいのでしょうか? 多数決で決めていいのでしょうか?

だいたい、根本論や本質論になりますが、それは多数決で決めることが
できることなのでしょうか?
仮想裁判の仮想裁判長にだけでなく、日本国民全員に聞いてみたいことに
なりますね。

やっぱり、というか、裁判員制度のPRや説明というものは、
こういうシミュレーションを経てみないと、
「死刑」か「無期懲役」を自分が関わって判断して多数決に加わる、
という、リアルなこととしては考えにくいのですね。

これだけでも、仮想・裁判、やってみてよかったと思っております。

6名という、ひとつの裁判に対する裁判員の数が偶数なのに、
(アメリカの陪審員の12名というのも偶数だが、これは全員一致の
評決をしなければならないということなので、偶数であってもいいのだ)
いったいどうするのだ?というところに、その話し合い自体に
3人の裁判官(そのうちの一人は裁判長だ) が加わっているという意味が
あるのだろう。
評決への決議が3対3のイーブンだった時には、裁判官が3人だという
ことが、大きな大きな意味をもつのだ。

3の倍数を数える時にはアホになるという世界のナベアツの
あの素晴らしいギャグが、これ以上ないブラックユーモアーに
なる可能性も出てきたなぁ。



マーヒーは死刑制度廃止論者である。
(といってもいろんな変遷をたどっての複雑な廃止論者なのだ)

かと言って、いろんな団体の死刑廃止論のすべてに
無条件に賛同しているわけではない。

死刑制度廃止論者のなかに、
「裁判員制度によって死刑は減るはずだから裁判員制度に賛成」
という意見があったとする。
実際にけっこうあるはずだと思っている。

さぁ、それはどうだろうか?

仮想・裁判は 「無期懲役」なのか「死刑」かを問う状態なのだが、
そんな仮想であるのだから、かなりの確立で、被告が犯した罪と
いうのは殺人事件である。 
(裁判員制度は重大な刑事裁判から導入されていく)

裁判員には、被告犯行の残虐性の証拠となる、マスコミにも出ない
現場の証拠、特に悲惨な状態の被害者の遺体の写真などを見せられる
可能性が高い。

マーヒーの頭のなかの仮想裁判では、
裁判員に対しての検察側の雄弁さも1年前にくらべて格段に向上している。
(検察官の行なっている最近の研修会にはそういうテーマが目立つのだ)
検察側は裁判員を意識しながら、鍛えぬいた「演技力」「能弁力」も駆使
しながら被告の罪状や残虐性について言及をしていく。

裁判官は、もともと、事実に対する虚偽性や誇張性を見抜くことが
要求される能力である。そういうことのプロフェッショナルである。
だから、検察側のプレゼンテーション能力のようなものが上がったとて、
裁判官の判断力にそうそう影響力はあるはずはないと思っている。

でも、民間人から選ばれた裁判員は、そういうことに弱いのである。

死刑になる確立が下がる要素は、「自分も関わって決める」ということの
影響は大きいとは思うが、単純に死刑が減るとは思えないのだ。

そういうったことからの影響で、この仮想裁判のなかで
裁判員のなかで死刑に5票、無期懲役がマーヒー1票だけという
状況が生まれたとする。

まずは

「多数決でいいんですか?」

ということを前回のブログ記事のとおりに述べることになる。

裁判官たちが、多数決での評決を即すような発言をしたとして、
仮想・裁判員マーヒーは、
そういう場面で、まったく問題提起として出されることは
想定していないであろうある法律
(憲法ではなく刑法のなかの法律です、次回ブログ記事で言及予定です) 
をマーヒーはもちだして裁判官と裁判員に問いかけることとなって、
この裁判は根本から空転することと、この仮想裁判ではなっていくのであった。
(続く)


マーヒー加藤
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by kaneniwa | 2008-07-06 20:19 | 草評


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