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2004年 02月 29日

フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)

この記事は、本ブログのフットノート(脚注)として書いていますが、
まだ文章を書いている途中です。

コメントなどは情報提供的なものも含めて歓迎いたしますが、
まだ文章を作成中であることをご了承ください。

2008年 9月13日 マーヒー加藤



フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)_b0061413_3553986.jpg 写真はかつて京都市の荒神口交差点の北東の角にあったJAZZ喫茶(後述するが1階はクラシック喫茶であった) しあんくれーる というお店のマッチである。 京都の河原町通りの荒神口交差点に緑色のふちどりに赤い文字のひときわ目立ちつつ、なぜか哀愁のあるネオンがあった。JAZZがそんなに好きだったわけではないのだが、(1983年当時全盛のフュージョン系が少し好きだった)誘われるようにそのお店に入っていった時、ちょうど「アルバイト募集」の貼り紙が店内にまさに貼られるところで、「時給470円」だったと思ったが、京都音協のコンサートのステージ装飾の不定期アルバイトの他に、定期的なアルバイトをちょうど探していた時だったので、19歳になったばかりのその時から、21歳になるまでこのお店のアルバイトを続けた。


フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)_b0061413_3561397.jpg マッチを開けてみると、黒い軸に白い頭である。電話番号は、もう使われていません。JAZZはともかく、オーディオ再生装置は掛け値なしに大好きだったので、このしあんくれーるのオーディオをいじれることは役得だった。アナログプレーヤー(もちろんCDは出たばかりですが普及はまだしていません)はイギリス製ガーランドのもの。そこに付けるカートリッジは、これは一日に何十枚もアナログレコードをかけるという関係からか、MC型のDENONで、確か型番はDー103だったように記憶している。針圧をどれぐらいでかけていたかは忘れた。アンプはプリアンプもメインアンプもマッキントッシュ(アップル社の有名なマックは綴りがMacintoshで、こちらはMcintoshであり、別会社です)のトランジスタであり、堂々とした美しいアンプだった。


フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)_b0061413_3565963.jpg マッチの裏側。 お店のスピーカーは、一見、アルティックの劇場用スピーカーのように見えるのだが、実はJBLのホーン型スピーカーを付けた改造JBLであった。 お店には5000枚のアナログディスクが棚に演奏者のアルファベット順で置かれており、お客さんのリクエストに応えるのに大変だった。特に、キャノンボール・アダレイの「サムシング・エルス」のように、実質的にはマイルス・ディビスのアルバムといっていいのに、名義はマイルス以外で出ているというようなケースがJAZZにはたいへん多く、最初は混乱しながらお客さんに教えてもらうようなことが多かったが、そのうち混乱のパターンのようなものを自分で見つけていった日々だった。


フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)_b0061413_357206.jpg マッチの裏側のアップ写真。 5000枚のディスクのジャケットには、かなりの演奏者本人のサインがあって、マイルス・ディビスのものにはすべてサインが入っていた。連日、大音量で自然と緊張を強いられるようなJAZZのなかに身を浸しているとJAZZというものが嫌いになりそうだった。お客さんがほとんどおらず、リクエストがない時には 「何か耳に軽くて心地いいものを」 という考えで5000枚のレコードのなかから見つけたのがボサノバ。これがジョアン・ジルベルトとアントニオ・カルロス・ジョビンとの出会いということにもなった。時々、今の小型スピーカーから静かに流れるボサノバもいいけれども、しあんくれーるの再生装置で無性にボサノバを聴いてみたいと思うことが今でもある。


フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)_b0061413_3582437.jpg これはちょっと珍しいものでないかと思っているのだが、1956年のしあんくれーるの創業というか、お店が開設された時期に作られたマッチ。アルバイトをしている時に、倉庫の掃除をしていたら出てきたもので、経営者の許可を得ていただいたもの。いつ頃まで使われていたものか、あるいは、白いマッチに切り替わったのがいつ頃なのか、もしもご存じの方がいらっしゃったら是非とも教えていただきたい。


フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)_b0061413_3595939.jpg その当時のマッチの裏面。実はこのフットノートを書いているのは2008年の秋であるが、『蟹工船』というプロレタリア文学の代表作がリバイバルしてものすごい勢いで売れている。その、復刻版?の文庫本の表紙をなぜか連想する。


フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)_b0061413_40485.jpg 狭い階段を上り、ドアを開ける前から大音量のJAZZが聞こえる2階のJAZZ喫茶に比べれば、そんなに大音量でもなく、より普通の喫茶店に近かったのだが、1階はクラシック音楽喫茶になっていてた。その1階のマッチである。


フットノート6 しあんくれーる (かつて京都市荒神口にあったJAZZ喫茶)_b0061413_412428.jpg その「クラシック音楽」のしあんくれーるのマッチの裏面である。


by kaneniwa | 2004-02-29 00:06 | 雑草


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