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2008年 11月 05日

超訳徒然草・吉田くんのブログ(第234段)

人の物を問ひたるに、知らずしもあらじ、
ありのままにいはんはをこがましとにや、
心惑はすやうに返事したる、よからぬ事なり。
知りたる事も、なほさだかにと思ひてや問ふらん。
又、まことに知らぬ人もなどかなからん。
うららかにいひきかせたらんは、おとなしく聞えなまし。

人は未だ聞き及ばぬ事を、我が知りたるままに、
「さても其の人の事のあさましさ」
などばかり言ひやりたれば、
「如何なる事のあるにか」
と、おし返し問ひにやるこそ、心づきなけれ。
世に古りぬる事をも、おのづから聞きもらすあたりもあれば、
覺束なからぬやうに告げやりたらん、惡しかるべき事かは。

かやうの事は、物馴れぬ人の有る事なり。

(吉田兼好法師 『徒然草』 第234段)

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質問をしてくる人に対して、知らないわけじゃないけれども
真に受けて真面目に返答することを馬鹿馬鹿しいと思うからだろうか、
相手の心を惑わせるように曖昧かつ適当に答えることは良くない。
質問者は、実は知っているけど、より知りたいと思って問いを出しているのかも。
また、本当に純粋に知らないことを知りたい場合もあり得るのだ。
そんなときには、あれこれ考えずに真面目に答えたなら、
相手にも晴れ晴れとした気持ちになってもらえて信頼されるはずだ。

世の中でまだ人に知られていない情報を自分が知っているからと言って、
「それにしても、あの人があんな事件を起こしちゃうなんてねぇ」
なんてことを言ったりすると、
「どんな事件なんだ?」
なんて、キョトンとされて人を使いに出してまで情報をやりとりすることに
なっちゃって、これは実に嫌なことなのだ。
世の中に浸透したはずの情報だってたまには聞き漏らしというものがあるから、、
はっきりしない点を正確に伝えることが悪いはずがない。

こういったことは、こなれていない人がよくすることだ。

超訳BYマーヒー

by kaneniwa | 2008-11-05 11:18 | 徒然草


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